16日、北朝鮮は東海岸からミサイル発射を実施した。結果的には失敗に終わったらしい。習近平主席の説得にもかかわらず、金正恩総書記は6度目の核実験を強行するかもしれない。トランプ政権はオバマ政権とは違い、本気である。その時はトランプは上げた拳は必ず振り下ろすだろう。

 訪韓中のペンス副大統領も次のように述べている。「失敗したミサイル発射に対し、我々が何か特別な対応をとる必要はない。これが核実験であれば、米国として何らかの行動を取る必要があっただろう」

 攻撃を決行するとなると、先ずNEOが発動となる。同時に、米本土から三沢、横田、嘉手納に攻撃戦闘機が続々と展開してくるはずだ。グアムのアンダーセン基地やハワイのヒッカム基地もあわただしい動きになるだろう。

 作戦準備になると、米軍は一転して情報を公開しなくなる。湾岸戦争時の「インフォメーション・ブラック・アウト」状態だ。

情報がなくなった時こそ迅速な対応を

 湾岸戦争開戦前、日本の多くの識者たちは「情報がない」ことを誤解してか「攻撃はない」と予想していた。だが見事に裏切られた。「情報がない」というのと「攻撃準備がない」というのは全く違うのだ。

 「インフォメーション・ブラック・アウト」になれば必ず分かる。その時こそ日本政府は、直ちに韓国への渡航禁止措置を取るとともに、在韓邦人帰国のための作戦を開始すべきだ。日本に事前協議をするとは言うが、保全上、攻撃開始直前になる可能性はある。

 日本も観光客を合わせて5万7000人の在韓邦人をどう退避させるか真剣に考えなければいけない。これこそが今、冷静に議論すべきことなのだ。

 現行の「在外邦人輸送」については、かなり問題が多い。拙稿「有事の際、海外の邦人救出はしなくて本当にいいのか」(2015.3.18)で指摘したので、ここでは触れない。

 メディアも浅薄だが、いわゆる有識者も軍事知識は上辺の知識しか有しない。軍事を知らない者同士が語り合っても現実とは程遠い空虚な議論から一歩も出ない。国民はメディアの作り出した浅薄な「お騒ぎ」に巻き込まれるべきではない。

 以上がSNSで述べた趣旨である。これに対し、驚くほどの反響が寄せられた。その一方で「自衛官OBとしては楽観的に過ぎる」といったお叱りもいただいたことを紹介しておく。

 「お叱りコメント」を分類すると、だいたい以下に分類される。

 (1)米国は本気だ。攻撃の可能性は高い
 (2)最悪に備えるのが危機管理なのに能天気すぎる
 (3)平和ボケした国民には刺激を与えた方がいい
 (4)手の内をさらすのは、金正恩を利する

 これらに対し反論したい。筆者は米国の本気度を疑っているわけではない。だが、段階があり今回は、攻撃はないと申し上げているのだ。