その仕事をカフェでするのは間違っている!

「カフェでの作業ははかどるか」の心理学(前篇)

2017.04.14(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要
カフェでコーヒーを飲みつつしっかり仕事、という人も多くなった。

 カフェで仕事をしている人を多く見かける。あなたも、本腰を入れて書類作りに取り組むかは別にしても、外出先のカフェでメールの返信などの作業をしたことがおありではないだろうか。

 店によっては充電用の電源を用意しているところもあり、仕事場としてカフェはすっかり認知された。混雑する時間に長く居座るのは迷惑になるが、節度を守って利用すれば、空き時間の有効活用になる。

 けれども、知らない他人が隣席に座り、当然ながら雑談も聞こえてきて騒がしい。よくよく考えてみれば、カフェという作業空間は概して雑然としたものだ。それでも、カフェで仕事に打ち込んでいるような人は多い。

 果たして、カフェでの仕事や作業というものは、はかどるものなのだろうか。

 こうした疑問に応じてくれそうな研究者はいないものかと考えていたところ、研究の動機として「一人部屋で作業するより、だれかがいるカフェで作業したほうがはかどる」という現象に興味をもち、心理学を専攻したと述べている研究者を見つけた。

 現在、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神薬理研究部に所属している請園正敏(うけぞの・まさとし)氏だ。「カフェでの仕事ははかどるか」というテーマで取材を申込んだところ、引き受けてくれた。

 前篇では、単刀直入に「カフェでの作業ははかどるのか」を請園氏に聞いてみた。心理学の観点からは、どのような説明がつくのだろうか。後篇では、カフェでの仕事・作業をはかどらせるために有効な工夫などについて聞くことにしたい。

単純作業や慣れている作業は人のいるカフェで

――カフェで仕事などの作業をする人が多く見られます。自分しかいない場所での作業より、別の人がいるカフェのような場所での作業のほうが、はかどるものでしょうか。

請園正敏氏(以下、敬称略) 「社会的促進」の視点から考えると、カフェのような場所での作業にははかどる場合と、逆にはかどらない場合がありえます。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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