JTB商事は、JTBグループ唯一の商事“専業”会社として、旅館・ホテルの満足度向上・経営効率強化をサポートしている。同社常務取締役の山根良一氏は、「インバウンド需要は高まっているが、競争の激化にともない、観光地ごと、旅館・ホテルごとに明暗が分かれることになるだろう 」と指摘する。

 第45回国際ホテル・レストラン・ショーでは、多様なお客様のニーズに応える魅力的な施設づくりのポイントや「勝ち組」を維持する旅館・ホテルの最新の成功事例などを紹介するとともに、その実現を支援する商品・サービスを幅広く提案する予定だ。

インバウンド顧客にアプローチし、
課題解決につながる展示を行う

 旅館・ホテルなどの宿泊業界は今、大きな転換期を迎えている。増え続ける訪日外国人客への対応と、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、おもてなしを支える存在として期待も集まっている。

「一方で、それに伴った課題も生じています。新たなニーズにも対応できていないのが現状です」と、JTB商事 常務取締役の山根良一氏は語る。

株式会社JTB商事
常務取締役 山根良一 氏 


 山根氏は宿泊ビジネスのマーケティングに詳しく、旅館・ホテルの経営効率改善やリニューアル提案でも豊富な実績がある。

 山根氏によれば、インバウンドの流れを受けて日本文化の「和」が注目されているものの、従来の旅館型のたたみと布団よりも、ベッドが好まれる傾向があるという。旅館客室の「和洋化」も進んでいる。

「訪日外国人のお客様が『和』を感じながら、快適に過ごせる客室であることが大切です」。たとえば、温泉が“売り”で客室内に浴室がない旅館にシャワーブースを提案し、稼働率アップが実現した例もあるという。

「国内のお客様でも、ご年配のお客様は、和洋室へリニューアルすることにより、動作の負担を軽くし、より安心してお休みいただけます。ここで特筆すべきは、寝具をベッドにかえることで、布団を敷くスタッフが不要になることです。旅館・ホテルにおける人手不足の課題解決にもつながります」

 今回の同社ブースでは、これらのほか、さまざまな課題を解決した事例も紹介される予定だ。

多様なお客様に対応する
「ユニバーサルデザイン」が重要になる

 「インバウンドのお客様は増加傾向にありますが、お客様はどのホテル・旅館でもいいというわけではありません。今後は選ばれるホテル・旅館とそうでないところの明暗が分かれるでしょう。大切なのは多様なお客様のご要望に応えること、とくに『ユニバーサルデザイン』は重要なキーワードです」と、山根氏は話す。

 JTBグループは「年齢、性別、国籍、障がいの有無などにかかわらず、お客様が安心してご利用いただける旅行会社」を目指して、「ユニバーサルツーリズム」 を推進している。

「当社も、多様なお客様をお迎えするためのバリアフリー化などを提案しています」。

 今回のショーで2月23日に行われる「訪日外国人観光客をむかえるホテル・旅館のための“ホスピタリティデザインセミナー”」で同社は、「日本旅館 ユニバーサルデザインの魅せ方」と題した講演も行う予定だ。大浴場を改修し、バリアフリー化することで、高齢者が安心して利用できるとして稼働率を高めた有名旅館の成功事例なども紹介されるという。同旅館では、あえて定員最大11名のファミリールームを新設するといった取り組みも注目されている。

(写真:バリアフリー化された大浴場) 写真:バリアフリー化された大浴場

「ホテル・旅館は、立地も異なり、課題もさまざまです。当社は北海道から沖縄まで、全国に約35カ所の営業拠点があり、きめ細かなサービスを提供しています。今回の展示では、長年にわたり蓄積したノウハウも公開したいと思っています」と山根氏は力を込める。

広々としたスペースで、カプセルホテルビジネスほか
多彩な展示

「2020年には4万4000室の客室が不足すると予想されています。特に東京・大阪では、客室不足が深刻になります。ただし、ホテル・旅館の経営は決して楽観はできません」と山根氏は話す。要因の一つは、用地の取得や施設の建設に多額の投資が必要なことだ。都心の一等地であれば、資金の回収までに数十年もかかることもあるという。

「今回の展示では、ホテルビジネスのあり方そのものの提案も行いたいと考えています。その一つが、カプセルホテルビジネスです」

 東京の都心部ではオフィスビルの建設ラッシュが続いている。供給が急増することで、既存のビルの空室率が上昇することが予想される。カプセルホテルであれば、駅前立地の空きフロアなどに新規出店することも容易だ。

「従来の繊維強化プラスチック(FRP)ではなく、木やアルミを用いた高級感のある商品を提案しています」という。2020年以降の需要にも柔軟に対応できるだろう。

 今回の出展では20小間の広々としたスペースに、カプセルホテルのモデルルームなども設置される予定だ。このほか、シティホテルでも採用されている定評あるアメニティグッズなども数多く展示される。 

(写真:カプセルホテル) 写真:カプセルホテル

「2020年に向けたトレンドを感じていただくとともに、皆様の将来のビジネスのアイデアをつかんでいただきたいと願っています。ぜひ、ご来場いただき、お気軽にご相談ください」と山根氏は結んだ。

 その言葉どおり、ホテル・旅館業に携わる人にとって、大いに参考になる展示になりそうだ。

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ホスピタリティと“フードサービス”の商談専門展示会
【HCJ2017 2/21(火)~ 2/24(金)】
ご来場の予約は下記URLの「来場者事前登録」より、お申込みください。
http://www.jma.or.jp/hcj/jp/

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提供:HCJ2017 (主催:一般社団法人日本能率協会)