上海にオープンした中国人旅行者のための大型免税店(筆者撮影、以下同)

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 2014年と2015年、中国人は2年連続して国外で1兆元を超える買い物をした(中国商務部)。2015年には、日本にも1.4兆円を上回る中国人の旅行消費がもたらされた(日本政府観光局)。

 今、中国では、そうした国外での「爆買い」を国内でも行わせようと官も民も躍起になっている。

中国人ための免税店

 内需喚起を唱えても中国人が一向に国内で買い物をしないのは、国内に欲しいものがなかったからだ――。こう悟った中国政府は、消費者が欲しいものを国内で手に入れられるように国内企業と共に手を打ち始めた。

 その1つが今夏、上海市内にオープンした免税品店である。およそ3300平米の敷地に、世界の一流ブランド品がずらりと並ぶ。商務部によれば、2015年に中国人は世界のブランド品の46%を買い漁ったという。この免税品店に来れば、中国人が大好きなブランド品を海外に行かずとも国内で思う存分手に入れられるというわけだ。

 バッグ売り場の店員は「外国人はここでは買い物できません」と説明する。本来、免税サービスは外国人のためのものだが、ここは「半年以内に中国に入国したパスポートを持つ中国人」を対象としている。「毎年1兆元を国外で消費する中国人向けにできた店です。外国に行くのではなく、ぜひ国内で消費してもらいたいと思います」(同店員)。

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