2016年6月に鳴り物入りで開園した上海ディズニーランドだが、開園100日を過ぎた今、その評判は決して芳しいとはいえない。地元の上海市民は「子どものための遊園地」としか見ておらず、「それにしては高すぎる」と敬遠する。海外のディズニーファンも「はるばる行くほどの価値はあるのか」と興味を示さない。
国慶節の前日、筆者は初めて上海ディズニーランドを訪れた。
訪れる前は、どれほど長蛇の列ができているのかと心配していたが、杞憂に終わった。待ち時間ゼロで入園でき、アトラクションもほとんどが待ち時間はない。たとえ待っても1時間以内に乗り込むことができた。
人がまばらで閑散とした園内は寂寥感さえ漂う。本当にここはディズニーランドなのか──筆者の頭を何度もこの言葉がよぎった。
いかにも「素人」、マーチングバンドのミス
メインエントランスを抜けると、目の前にマーチングバンドが現れた。バンドと一緒に行進するミッキーマウスを中国人の観衆が取り囲む。「前に出ないでください」と制するキャスト(スタッフ)を無視して、好き勝手に写真を撮り始めた。
次の瞬間、マーチングバンドのパーカッションがしくじった。さほど難易度の高い演奏でもないのに、スティックを落としてしまったのだ。