マット安川 今回のゲスト・平沢勝栄議員が、先代ミッキー安川時代の当番組における「君が代斉唱拒否」を菅直人首相に直接ぶつけたのは今年8月3日のこと。

 現政権の「愛国心」が問われている情勢は、今も変わっていません。尖閣ビデオ流出問題に見られる日本の危機的状況を分析・解説いただきました。

中国漁船衝突の映像流出、政府の対応は全くデタラメ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:平沢勝栄/前田せいめい撮影平沢 勝栄(ひらさわ・かつえい)氏(右)
衆議院議員(自由民主党シャドウ・キャビネット法務大臣、衆議院法務委員会筆頭理事)テレビ・ラジオにも多数出演。葛飾区柴又在住。
(撮影・前田せいめい、以下同)

平沢 今回の中国漁船衝突の映像流出について、政府の対応は本当に納得できない。本来このビデオは逮捕した時点で公開すべきだったんです。

 ところが、国会で憲法の国政調査権に基づいてビデオを提出するように求めたら、那覇地方検察庁は海保(海上保安庁)と相談して6分50秒に縮めたものを出してきた。

 恐らく、政府が言ったからでしょう。見る人も予算委員会およびその関係者ということで30人ほどに絞られた。

 なぜビデオを縮める権限があるのか。全部提出すように言ったら、全部見せると海保の取り締まりやプライバシーに影響が出るといった理由で拒否した。

 そして今回、44分の映像がユーチューブに流れた。これには6分50秒の映像が全部含まれています。国会で実際に見た人に確認しましたので、海保が撮った映像に間違いない。この44分の映像を見て何の障害がありますか?

 政府の言っていることは全くデタラメですよ。

 いずれにしろ、流出したとすれば検察か海保からと考えるのが妥当でしょう。ですから担当大臣は責任問題になりますよ(11月10日、海上保安庁の職員が流出を申し出た)。

ネットへの情報流出は悪い前例に。気持ちは分かるがケジメを

 ビデオ映像を流出させた人を「月光仮面」と言う声もありますが、情報を管理している役人が規則を破ってこういう形で出すというのは、極めて悪い前例になります。

 検察か海保か分かりませんが、政府の対応について大変に不満を持っている人が一種の抵抗、反発で流したんだと思います。その気持ちは分かりますけど、私自身はどうかなという感じがします。