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オランダの農地の風景。(写真はイメージ)

【連載第8回】

 今、日本の農業は変わらなければならない。食料安保、食料自給率、農業保護などにおける農業政策の歪みにより日本農業は脆弱化し、世界での競争力を失った。本連載では、IT技術を駆使した「スマートアグリ」で 世界2位の農産物輸出国にまで成長したオランダの農業モデルと日本の農業を照合しながら、日本がオランダ農業から何を学び、どのように変えていくべきかを大前研一氏が解説します。

◎前回の記事「他国のマネでは成功しない。脱"兼業"・脱"コメ"で進める日本の農業改革」はこちら(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48016)。

オランダ型農業モデルの担い手は? 民間参入が不可欠?

 さらに、農業モデルの担い手も、考えていかなければなりません。

 図-36の通り、オランダでは農業プレイヤーとして、(1)種苗・栽培コンサルタント(2)研究機関(3)金融機関(4)設備関連企業(5)エネルギー関連企業(6)環境制御関連企業が六位一体となって、生産者をサポートする産業・市場を作っています。それらを土台に、販売力や資金調達力など、次世代型施設園芸を運営するだけの経営力のある生産者が存在しています。

 日本で同じように次世代型施設園芸を運営するとなれば、やはり民間企業の参入は不可欠でしょう。また、相当な経営力のある生産者が担っていくことも考えられます。

 政府としては、規制緩和を進め、農協を解体して民営化することで、農業サポート市場を形成することが重要です。農協にこれまで払ってきた農業補助金の額の大きさを考えれば、その額でかなり大きなことができるはずです。