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オランダの農地の風景。(写真はイメージ)

【連載第7回】今、日本の農業は変わらなければならない。食料安保、食料自給率、農業保護などにおける農業政策の歪みにより日本農業は脆弱化し、世界での競争力を失った。本連載では、IT技術を駆使した「スマートアグリ」で 世界2位の農産物輸出国にまで成長したオランダの農業モデルと日本の農業を照合しながら、日本がオランダ農業から何を学び、どのように変えていくべきかを大前研一氏が解説します。

オランダの農業モデルを日本に適用できるか?

すべてを真似することへの疑問

 オランダの農業がどのように転換し、約10兆円を輸出する世界2位の農産物輸出国となったのか。その理由を探るため、「スマートアグリ」と称される、さまざまなイノベーションを紹介してきました。

 それらを日本に適用することは可能なのでしょうか?

 その最大の疑問を解き明かすべく、ここからは、日本の農業に照らしながら考察していきたいと思います。

 そもそも、これまで紹介してきたオランダの農業をそのまま真似すれば、日本の農業輸出が伸びるのでしょうか。それ以前に、すべてを真似することは可能なのでしょうか。オランダは30年弱でここまで成長したので、日本に真似できないことはないはずですが、果たしてすべてが適しているのか、という疑問も湧いてきます。

 また、オランダの農業モデルを取り入れるなら日本では誰が実践するのか、農協がオランダの例に学ぶことはないのかなど、他国の例も交えながら、考えていきましょう。