米シリコンバレーのベンチャー企業が新しい検索サービスを始めたことが話題になっている。「ブレッコ(blekko)」と呼ぶこのサービスは、検索結果からスパムなどの不要なサイトを仕分け、良質なサイトだけを表示するという。

CEOはシリコンバレーの著名アントレプレナー

新検索サービス「ブレッコ」

 興味深いのは、この会社で最高経営責任者(CEO)を務めるリッチ・スクレンタ氏。市民ジャーナリスト参加型のニュース収集サイト「トピックス(Topix)」や、ディレクトリ型検索サービス「オープン・ディレクトリ・プロジェクト(Open Directory Project)」を設立した人物で、前者は後に米ガネットなどのメディアグループに、後者は米ネットスケープに買収されている。

 米ウォールストリート・ジャーナルによると、ブレッコの従業員数は現在22人と少ないが、米グーグルや米ヤフーの元社員など精鋭が揃っている。

 またネットスケープの共同設立者でエンジェル投資家としても知られるマーク・アンドリーセン氏や、著名なベンチャーキャピタルが出資している。スクレンタCEOはグーグルのような業界トップは狙っていないが、米マイクロソフトの「Bing(ビング)」に次ぐ業界3位を目指していると話している。

 ブレッコは人の手によってトピックごとに整理されたウェブサイト群を「スラッシュタグ」と呼んでおり、この仕組みによって対象を絞り込むことができるサービスと同社は説明している。当初は「健康」「マネー」「自動車」「資産管理」といった合計7つのトピックを対象にこのスラッシュタグを設定しており、ユーザーが入力した検索語からトピックの種類を自動判別し情報を絞り込む。

 例えば「cure for cold(風邪薬)」という検索語を入力すれば、これを「健康」トピックに自動分類して、その中だけを対象に検索結果を表示する。

「人間がサイトを厳選する」

 またユーザーは検索語の間に「/(スラッシュ)」を入れることで自分で仕分けができる。「iPad/Amazon」と入力すれば米アマゾン・ドットコムのサイトのiPadの情報だけを、「Obama/humor」はオバマ大統領について触れているユーモラスなサイトだけを表示する。