毎年夏は、韓国で「愛国の季節」だ。独立記念日である光復節(8月15日)があり、公休日のこの日に大統領が演説する。今年はリオ五輪開催中でもあり、さらに盛り上がるのかと思いきや、意外な反応になった。大統領の演説も予想外の内容だった。
8月15日、朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領は、例年通り、光復節の記念式で演説した。
日本の植民地支配からの独立を祝う式典で、日本に対する言及に注目が集まったが、すでに報じられたとおり、「歴史を直視しつつ、未来志向的な関係を新たに築いていくべきだ」と関係改善への意欲を短く表明しただけにとどまった。
独立71年の成果を強調
では、何を話したのか?
韓国メディアはこの日の演説で大統領が連発したキーワードを「自信感」「自負心」「共同体」などと指摘した。
独立71周年にあたり、大統領は、この間の韓国の目覚しい発展の成果を強調して見せた。
「就任以来さまざまな国を訪れたが、今日の韓国に無限の自負心を感じてきた」
こう切り出すと、経済強国になった発展の歴史を語り出す。
「自動車、鉄鋼、船舶のような伝統的な産業から、スマートフォンのような先端製品までメードインコリアは最も優秀で信頼できる製品の1つとして世界の方々に愛されている。韓流に代表できる我々の文化は世界で熱狂を呼び新しい文化としての座をつかみつつある」
このあとに、「十八番」ともいえるフレーズが続く。
最貧国からの飛躍
「半世紀前、1人当たり国民所得は67ドルで世界の最貧国だったがいまや経済規模は世界11位、輸出規模は世界6位の国家に発展した」
世界がこうした「奇跡」を学ぼうとしているとも語った。
71年間でこれほど誇らしい国になったのだ。多少時代がかってはいるが、独立記念日に自国の輝かしい実績を強調すること事態、不思議なことではないだろう。