クリントン氏、トランプ氏を7ポイントリード 党大会後に支持率上昇

民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官(左、2016年6月15日撮影)と共和党候補のドナルド・トランプ氏(同6月13日撮影)。(c)AFP/dsk〔AFPBB News

 いよいよ終盤戦に差し掛かってきた米大統領選挙。ここにきて度重なる暴言、失言のダメージでドナルド・トランプ候補が支持率を落としているが、勝負の行方は最後まで分からない。

 国内外のあらゆるメディアが「かつてない大統領選」と評するこの選挙戦について、残念ながら日本に居ながら正確で良質な情報を入手することは極めて難しい。

 例えば日本のマスメディアは「トランプ旋風」がここまでものになるとは全く予測できていなかった。テレビ・新聞ともに「泡沫候補」「呆れた狂人」といったステレオタイプの人物評を繰り返すばかりで、この大躍進を正確に予想したものはほとんど皆無だったと言って良い。

 日本のメディアはあてにならない、となれば、海外のメディアに目を向ければいいのか? これもまた難しい。例えばニューヨーク・タイムズなどは、トランプ氏がいかに下品で人種差別的で政治的に正しくないかをリベラルな白人富裕層相手に繰り返すだけだ。

 海外には、日本のようなマスメディアというのは基本的に存在しない。読売新聞の発行部数が約900万部なのに比べて、ニューヨーク・タイムズの部数は約100万部に過ぎない。日本の北海道新聞と同じ程度だ。限られた層に、その層向けのニュースを届けるのが海外のメディアである。そうである以上「中立的な観点」などは望みにくい。

 では大統領選の本当の争点を読み解き、結果を占うにあたって、我々はどのような情報に接すれば良いのだろうか。

 最も良いのは、左右のメディアの情報を入手、比較吟味し、客観的事実と考えられることを自分なりに考察する──といった方法だろう。しかし、諜報部員でもジャーナリストでもない一般の人たちから見たら、そんなアホみたいに時間がかかることはとてもやってられないぞ、というのが現実だろう。

公式ウェブサイトという1次情報

 ではどうするか。筆者は「1次情報」にあたってみることをお勧めしたい。

「1次情報」とは、誰にも編集・歪曲されていないナマの情報のことだ。例えばトランプ氏が、ヒラリー氏が、講演で何をしゃべったか?「○○氏がこのようなことをしゃべりました」という記事ではなく、演説そのものこそが「ナマの情報」である。歴史学でもジャーナリズムでも、研究や分析の基礎となるのは常に1次情報、「ナマの情報」だ。