教育は発展を促す原動力となるものであり、高等教育は初等教育と同様に重要である。
成長しつつあるアフリカ経済にとって、大学で高い教育を受けた技術者や医者、科学者、ビジネスリーダーが安定的に供給されることは、極めて大切である。
そうした国際的に競争力のある大学卒業生を生み出すには、アフリカの大学はほかの国々と同等の情報にアクセスできる必要がある。そのためにインターネットが必要なのである。
世界で最も高いインターネット接続料金
しかし現在、アフリカの大学は世界で最もインターネットの接続料金が高い。そのためアフリカの学生はほかの国々や地域の学生ほどインターネットを利用できてない。
知識にアクセスすることは教育機関の生命線であり、ほかのインフラと同様に優先されるべきである。今の時代、高速インターネットのない大学は、道路が通っていない市場と同じようなものだ。私たちは各国の政府に対して、アフリカの学生が世界の知識基盤にアクセスできるような措置を取ってくれるよう求めたい。
アフリカの大学が世界中の知識経済に対する窓口となることで、新しい技術がアフリカの隅々まで広がるようになる。これは同時に、国際的な研究協力における最も重要な役割だと言えよう。
しかし、いまだに実現されていないのは、アフリカの大学と研究機関が情報技術的に隔離されているからである。例えば、東京大学ほどの規模があるアフリカの大学では、日本の1世帯家族が利用できるインターネット容量しか利用できない。つまり、3万人で1世帯のインターネット回線を利用するようなものなのである。
これでは効率があまりに悪く、その結果、ほとんどのアフリカの大学では、ほかの地域の国々と違って豊富な科学技術の恩恵を受けられないでいる。新しい情報を利用できることは大学の生命線であり、本来は道路や電力、水道といった社会における他の重要なインフラと同様に優先されるべきである。
わずかな帯域幅しかないのに、利用料は月に1万5000ドルもかかってしまう。また、大学が莫大な利用料を払ったとしても、そのサービスは常に不安定だ。そのため、大学の教員と学生は最新の知識をほとんど利用できないでいる。