アジアの新興国バングラデシュで、「第二外国語」をめぐって日中韓が激しい綱引きを展開している。
国際交流基金の調査によれば、バングラデシュでは高等教育レベルで人気のある言語は、(1)英語、(2)フランス語、(3)ドイツ語、(4)中国語の順で、日本語は5番目だという。そこに、近年は韓国語の人気が高まってきた。これまで「バングラデシュは親日国だから日本語熱が高い」と言われていたが、様相が変わってきたようだ。
日本語学習の脱落者が続出
バングラデシュにおける日本語教育の歴史は1970年代初頭にさかのぼる。1971年にバングラデシュが独立し、日本国大使館が置かれると、大使館内に日本語学校が設立された。また同年、ダッカ大学で日本語の授業がスタートし、74年には同大学に「現代言語研究所」が設立された。
90年代に入ると、ラジシャ大学やジャハンギノゴル大学などでも日本語の授業が始まった。96年には、ダッカ大学が「ダッカ大学日本研究センター」を設立。2000年~2010年代にかけては3つの大学で日本語コースが開講し、初級レベルの日本語を教える民間の教育機関が30校を超えるまでになった。
こうして見ていくと、バングラデシュで日本語の人気がますます高まっているように思える。