確定拠出年金の改正法が成立。老後に向けた資産形成方法の切り札に?(写真はイメージ)

 5月24日、国会で「確定拠出年金」の改正法が成立しました。

 日本の年金制度は3階建て構造になっています。まず、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する義務がある「国民年金」(1階部分)。加えて、会社員や公務員などが加入する「厚生年金」(2階部分)、さらに会社ごとに設定されている「企業年金」(3階部分)という体系です。

 確定拠出年金は3階部分の企業年金の1つで「DC」(Defined Contribution)と略されます。

 企業年金にはこのほか、「確定給付年金」(DB:Defined Benefit)、「厚生年金基金」があります。Definedは“定められた”という意味で、確定給付年金(DB)は「将来の年金額の給付が確定している年金制度」のことです。一方、確定拠出年金(DC)は「将来受け取る年金額を運用する掛け金の拠出が確定している年金制度」です。企業や個人がさまざまな金融商品に投資して資産運用を行い、その結果を老後に年金として受け取ります。

 DCでは、いくら年金額が給付されるかは運用の結果次第なので、分かりません。そんな年金制度は不利で損するのではないか――と思われる人が多いことでしょう。まさにその通りなのですが、日本の公的年金(国民年金と厚生年金)や企業年金は国(政府)や企業の運用難から年金額が減少しており、特に企業年金はDBからDCへの移行が進んでいます。