中国のモンスター巡視船「海警3901」

 日本政府や一部マスコミから「アメリカの知日派」ともてはやされる数人の“大物”たちはいざ知らず、純然たる軍事的観点から日本周辺の軍事情勢を見守っている少なからぬ米軍関係者たちに、このところ気になるコンセンサスが出来上がりつつある。

 それは次のようなものだ。

「日本における昨今の防衛政策の方向性は、日本にとってはもちろんのこと、同盟国アメリカにとっても評価すべきである。しかし個々の具体的施作を検討してみると、実効性にクエスションマークをつけざるをえないものや、実質的には“言葉だけ”とみなさざるをえないものが目立つ」──。

「中国軍艦の無害通航権は認めない」と通告

 先週、中谷防衛大臣が語った中国当局への通告も、まさにこのようなコンセンサス形成を後押しするものの1つである。

 中谷大臣は次のように語った。「尖閣諸島周辺の日本領海においては、中国の軍艦に対して無害通航権を認めず、人民解放軍海軍艦艇が尖閣周辺の日本領海に侵入した場合には、海上警備行動を発令して自衛隊軍艦を派遣する」

 この通告は、昨年(2015年)11月に中国軍艦が尖閣周辺海域に接近したことを受けて、日本政府から中国政府に対して発せられたという。