マット安川 政党による「コップの中の争い」が当たり前になってしまった現在。なぜ一緒にいるのか不思議なほど、同じ党内で政策が違ったり派閥争いをしたり・・・。

 今回のゲスト・井上義久公明党幹事長は、現場に出向き、党が一体となるよう働き、現在の「ニュー公明党」を牽引する存在です。衆参における第三極として何を考え、何をしようとしているのか、お話しいただきました。

連立の考えなし、国民生活、国益を守る観点から是々非々で対応

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:井上義久/前田せいめい撮影井上 義久(いのうえ・よしひさ)氏(右)
公明党幹事長、衆議院議員。公明新聞記者などを経て1990年2月、旧東京3区より衆議院議員に初当選、当選6回。2009年9月、党幹事長に就任。 (撮影・前田せいめい)

井上 先の参議院選挙で国民は民主党の政権運営にノーの判断を示し、参議院で与野党が逆転した結果、私たちはキャスティングボートを持つことになりました。

 けれども、私たちはかつての民主党のように反対のための反対はしません。あくまでも国民の生活を守る、また国益を守るという観点から議論を尽くします。

 そのうえで合意ができれば、その政策は一歩前へ進むし、法律は成立する。そういう意味では、基本的には是々非々で対応していきたいと思っています。ですから、いまは連立を組むという考えは全くありません。

 鳩山(由紀夫)総理から菅(直人)総理に代わって3カ月以上経っているわけですが、この間参議院選挙と民主党の代表選挙があり、ほとんど政治空白で政権として何もやっていない。この責任は重大です。

 ようやく新内閣がスタートしたのですから、今、何に国民は困っているのか、何を求めているのか、そういうことを踏まえてしっかり仕事をしてもらいたいと思います。

日中関係は安全保障上非常に大事、政治的な知恵で解決の努力を

中国漁船船長、処分保留で釈放へ

9月7日、東シナ海の尖閣諸島付近で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突〔AFPBB News

 今回の尖閣諸島問題は、正直言ってなかなか難しい問題です。尖閣諸島は日本の固有の領土であるということは事実ですから、今回のような事件が起きれば国内法で粛々と処理をすることが必要だと思います。

 ただ一方で、中国側にも事情があるわけで、ここはやはり政治的な知恵というものが双方にとって必要でしょう。

 政府は是が非でも解決するという、またエスカレートすることを望んでいないという強いメッセージをしっかり中国側に発信することが必要だろうと思います。