ソマリア沖の海賊を制圧したCTF-151(海賊対処専門の第151合同任務部隊)所属のアメリカ海軍駆逐艦(写真:米海軍)

 オバマ米大統領がケニアとエチオピアを訪問した。アメリカのメディアでは初訪問ということで何かと話題が尽きないようである。

 一方、軍事関係者の間では、エチオピアと国境を接するジブチと中国の関係が関心の的となっている。というのは、これまで親米路線を売り物にしてきたジブチのゲレ大統領が、中国に対してジブチ国内に軍事拠点を設置することを認めたからである。

“基地依存国家”のジブチ

 ジブチ(ジブチ共和国)は、マンダブ海峡に面する軍事的要衝の地である。マンダブ海峡はジブチとイエメンを両岸とし、最も狭い地点の幅はおよそ29キロメートルという狭い海峡である。紅海とアデン湾を結ぶこの海峡には、2海里(およそ3.7キロメートル)幅の航路帯が往復それぞれ1本ずつ設定されており、地中海~スエズ運河~紅海~アデン湾~アラビア海~インド洋を航行する船舶・艦艇にとってのチョークポイントとなっている。

 このような軍事的要衝のジブチには、フランス軍、アメリカ軍、それに自衛隊の基地が設置されている。ジブチ経済にとって、アメリカ、フランスそれに日本から得ている基地使用料やそれらの基地での雇用が生み出している収入は2014年度には16億ドルであった。そのためジブチは“基地依存国家”と呼ばれている。