米豪合同演習「タリスマン・セーバー」始まる、陸自も初参加

陸上自衛隊が初参加した米豪軍事演習「タリスマン・セーバー」(2015年7月2日)〔AFPBB News

 「防衛白書」(平成26年版)によると、「自衛隊・防衛問題に関心がある」と答えた人は69.8%、「自衛隊に良い印象をもっている」は91.7%である。こうした結果から、自衛隊に対する国民の理解が高まったと言われる。

 阪神淡路大震災(1995年1月17日発生)や地下鉄サリン事件(同3月20日)を契機に、地方自治体と自衛隊の共同訓練が奨励されるようになった。

 また、広域かつ1000年に1度と言われた2011年の東日本大震災および福島第一原子力発電所の発事故では、自衛隊が10万人規模で人命救助と震災復旧に尽力し、国民から感謝され、「頼りになる自衛隊」と見られるようになった。

いくつかの「異なる認識」

 国民に「良い印象」を持たれている自衛隊である。しかし、自衛隊の行動については、政党によって異なり、衆院平和安全法制特別委員会における論戦を混乱させ、国民の理解を妨げている。

 陸上自衛隊初のカンボジアPKO(平和維持活動)では、現地の負傷者を「救護」し、任務違反に問われそうになった。また、東日本大震災では遺体に対する対処が現場指揮官を悩ませた。

 平時においても持てる力を発揮できない自衛隊は、想定外も予測される有事においてはなおさらであろう。

 憲法で軍隊を保有しないことから、軍事関連教育も否定してきた。従って、戦争を起こさないためにはどうすべきかなどを考えることもなく、ただただ「戦争⇒怖い⇒反対」という単純思考が横行してきた。こうして、国家として不可欠な安全保障・防衛に国民は無関心で過ごしてきたからである。

 最大野党の民主党は国会論戦でも現実直視を避けて本質的な質問をはぐらかし、「戦争する」ための法案という印象だけを国民に植え付けようとしている。政権を担った政党とは思えない。

 平時と有事の境目にあるグレーゾーン事態や有事への対処など、法が未整備のために、日本はシームレスに安全を確保する行動が採れない危惧がある。

こうした認識をもって、池田信夫氏のJBpress論文「戦後レジームより『戦時レジーム』の清算が必要だ 憲法をめぐる神学論争はもうやめよう」を、関心をもって読んだ。

 しかし、以下の5つのフレーズで違和感を抱かざるを得ない。