中韓は日本に対して「正しい歴史認識」を求めて圧力をかけてきた。両国は終戦70年の今年を山場にしたいようで、一段と批判を強めると思われる。
南京大虐殺や従軍慰安婦問題の真実は日本に分がある。しかし、中韓にとって史実はどうでもよく、大きい虚言ほど愛国の度合いも大きいとみなす愛国虚言の国である。
福沢諭吉は諸外国に対しては、「智戦」で対処し、優位に立って地位(名誉)を高めるべきだと主張した。首相の米国議会における演説は、従来批判が多かった米国から多くの賛同と称賛を引き出した点で智戦の勝利と言える。
戦後体制からの脱却とは戦後植えつけられた自虐史観、犯罪国家・日本という汚名を智戦で払拭することである。
日本的良心は国際場裏では逆効果
中国は南京攻略戦時の「南京事件」を大虐殺に仕立て、韓国は支那事変時の慰安婦を「強制連行」して「性奴隷」にしたと糾弾し、日本に「正しい歴史認識をもて」と世界を味方につけて圧力をかけてきた。
武士道の影響が多分にあるであろうが、日本は国内だけでなく国際社会でも、問題が発生すれば穏便に解決することを第一として、反論することを極度に避けてきた。「以心伝心」や「済みません」という日本的な解決法が、国際社会でも通用すると勘違いして、益々謝罪の深みに入っていった面もある。
1912年の処女航海で氷山に追突して沈没したタイタニック号には、鉄道事情を視察して米国経由で帰国する日本人の鉄道院官吏が乗船していた(「いつの時代も支那人は」、高山正之著『サダム・フセインは偉かった』所収)。
救命ボートで脱出した英国人教師(男)が「無理やり乗ってきた嫌な日本人」と語り、日本の新聞が教師の証言を掲載すると、「日本人の恥」という手紙が殺到し失職するが、死ぬまでの27年間一言の弁解もしなかったそうである。
ところが、遺品の中から、沈没騒ぎの中でタイタニックのレターヘッドつき便箋に彼が書いた記録が見つかる。