メガバンクで人工知能を導入する動きが本格化している。正確性が要求される銀行業務での実績が積み上がれば、社会全体として、人工知能を導入するハードルが一気に下がる可能性がある。

 人工知能がもたらすインパクトは、インターネットが登場してきた時よりもはるかに大きなものとなるだろう。人工知能の普及によって多くの仕事が失われるというネガティブな予想も多いが、人工知能の普及は、産業社会に対してもっと本質的な変化をもたらす可能性が高い。我々は、仕事に対する根本的な価値観の転換を迫られることになるかもしれない。

メガバンクが相次いでコールセンターに人工知能を導入

 三井住友銀行は、年内にも、米IBMが開発した人工知能「ワトソン」をコールセンター部門に導入する。同行は昨年から、ワトソンに関するテストを行い、さまざまな状況において適切な回答ができるのか検証を重ねてきた。テストの結果、十分に実用に耐えると判断し、コールセンターへの導入を決定したという。みずほ銀行や三菱東京UFJ銀行も同じくワトソンの導入を進めており、3メガバンクのすべてにおいて人工知能によるサービスが始まることになる。

 人工知能の特徴は何といってもその高度な自己学習能力である。