もう弱小省庁とは呼ばせない 
“闘争”に打って出た環境省の野望とは

再生エネルギー導入量を巡って経済産業省と激突

2015.03.05(木) 宇佐美 典也
    http://goo.gl/4vAzn2
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京都議定書の後ろ盾を失った環境省がついに“闘争”に打って出た

環境省と経済産業省の間で再生可能エネルギー政策を巡るつばぜり合いが生じている。

 具体的には再生可能エネルギーの電力系統網への「接続可能量」を巡り、環境省が経済産業省にかみついている形だ。

 太陽光発電や風力発電は発電周期が不規則であるため、自ずと電気の供給と需要のタイミングにギャップが生じてしまう。そのため固定価格買取制度では、火力発電の出力を落としたり、電気を揚水発電に回したり、地域間で余った電力を融通しあったり、といった形で送配電網を運用する各電力会社に需給ギャップが生まれないように調整することを義務付けている。

 だが、当然それにも物理的限界がある。その限界量が「接続可能量」である。例えば経済産業省は2014年「太陽光発電由来の電力は年間30日までは買取を停止してもよい」という条件の下での九州電力管内での太陽光発電の接続可能量を817万kW、東北電力管内での接続可能量を552万kWと算定した。

 この数値は我が国の再生可能エネルギー政策の根本となる非常に重要な数値なのだが、環境省は経済産業省に対抗して、独自の調査で九州地域の太陽光発電の接続可能量913万kWと算定。また、東北電力管内の接続可能量については東京電力管内と合算して2513万kWと算定した。

 経済産業省の算定は「現在の接続可能量はどれくらいか」ということを前提に計算したものである。一方、環境省の試算は「2020年時点での接続可能量の見込み」という前提で計算したもので算定の基準は異なっているものの、この乖離は大きい。

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1981年、東京都生まれ。暁星高校、東京大学経済学部を経て、経済産業省に入省。企業立地促進政策、農商工連携政策、技術関連法制の見直しを担当したのち、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)にて電機・IT分野の国家プロジェクトの立案およびマネジメントを担当。2012年9月に経済産業省を退職。現在、再生可能エネルギー分野や地域活性化分野のコンサルティングを展開している。著書に『30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと』(ダイヤモンド社)、『肩書き捨てたら地獄だった - 挫折した元官僚が教える「頼れない」時代の働き方』(中公新書ラクレ) など。

エネルギー戦略

20世紀の社会を築き、支えてきた石油。しかし世界的な環境意識の高まりの中で、石油依存社会の限界が明らかになりつつある。石油はいまどうなっているのか。石油社会の次を築き、新世紀を切り開くイノベーションは何か。その最先端の姿をリポートする。

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