女性でありながらアルコール飲料について語ることをお許しいただきたい。というのも、文化としてのお酒について語るからだ。最近では、食が文化であることを疑う人はいない。和食が世界無形文化遺産に登録された後は特にそうだろう。

 国民的な飲料も文化の大きな一部だ。人はロシアやフィンランドに行けばウオツカ、メキシコに行けばテキーラ、ドイツではシュナップスを飲む。だが、土地の飲み物はグローバル市場も獲得し始める。果たして日本酒は、歴史的にアルコール飲料が好まれてきたロシア市場を勝ち取ることができるのだろうか?

日本とロシアの飲酒文化の違い

 ロシアと日本について考える場合、一般論として、日本とロシアの飲酒文化がかなり異なることを認めなければならないだろう。この違いは(1)気候の違い、(2)それゆえ食の特性、(3)国民の身体的特徴によるものだ。

 ロシアでは、何らかの理由から、日本酒は度数が非常に低く、本格的ではなく、全く洗練されていないというイメージがあった。品質としては、「サマゴン」「シヴーハ」と呼ばれる、蒸留が不十分で時として身体に悪いロシアの自家製密造酒に近いものと見なされている。

 また、サモゴンはハードリカーだが、日本のお酒は違う。ロシア人はよく日本酒のことを「コメのウオツカ」と呼び、ウオツカのように40度ではなく14~15度のアルコール度数にがっかりする。日本のお酒の度数の低さは、気候の特徴というよりは、むしろハードリカーを消化できない――ひいては作ることができない――と見られる日本人の生理的な特性と関係している。

注目される日本酒、輸出量1000万リットル超

AFPBB News

 だが、焼酎と混同されることも多い日本酒に対するこのイメージは、ロシア人が度数の低いアルコール飲料の味を楽しめないからではなく(なぜならロシア人はビールとワインも好む)、単に日本酒の魅力と飲み方に関する適切な情報と文化的説明が欠けている結果だということを指摘しておくことが重要だ。

 和食が好きでよく食べているロシア人は、たとえ世界各地と同じく日本酒のことをただ「サケ」と呼んだとしても、やがて日本酒を飲み始めるだろう。

ロシア人が抱く日本酒のイメージは? フェイスブックでミニ調査実施

 ロシアの消費者の好みをしっかり理解するためには、明らかに、ちゃんとしたマーケティング調査が必要だ。もしかしたら、いつの日か、どこかの団体が行うかもしれないが、それが実現する前に、筆者は簡単な調査票を作成し、フェイスブック上で2つのロシア人コミュニティーに回答を依頼した。

 約150人が議論に参加してくれた。フォーカスグループとしては悪くない数だろう。そのうち設問に回答してくれたのは136人で、残りの人はコメントを寄せただけだった。それでも、このアンケートは、日本酒に対してロシア人が抱く一般的な理解とイメージを大雑把に描き出してくれる。