ワシントンD.C.を訪問した小野寺五典防衛大臣は、ヘーゲル国防長官との会談やシンクタンク(CSIS)でのスピーチにおいて、安倍内閣が集団的自衛権行使を容認する政策に踏み切ったことを丁寧に説明した。

 アメリカ政府も軍関係者も極めて好意的な反応をしている。これは、本コラムでしばしば指摘したように、軍事力が実質的に低下しているアメリカにとって至極当然の反応である。

約束は必ず果たす日本人

 小野寺大臣はCSISでのスピーチで、「日本の人々は、ひとたびやると決心したことは必ず成し遂げる」と日本人の特性を何度も繰り返した。そして、その実例として大臣が主管する防衛分野での具体的事例を3つ挙げた。

 第1は、弾道ミサイル防衛システム開発における日本の貢献である。

 2013年2月、安倍晋三首相がオバマ大統領と面会した際に、アメリカ軍の弾道ミサイル防衛システムの前方展開用警戒レーダー「AN/TPY-2」を日本に追加配備することで合意した。安倍政権は、この約束を果たすために、土地の収容を含む様々な施策を速やかに実施し、京都の経ヶ岬でレーダーの設置を開始している。

 それだけではなく、石破茂幹事長が防衛庁長官であった時期に約束した、日本が弾道ミサイル防衛システム開発に積極的に関与するという合意も着実に推進している。その結果、現在自衛隊は17セットのパトリオットシステムや弾道ミサイル迎撃能力を有する4隻のイージス艦(イージスBMD艦)を保有している。そして、さらに4隻のイージスBMD艦を保有することになっている。

 第2は、普天間基地移転、とりわけ在沖縄海兵隊部隊のグアム移転に対する協力である。

 日米はアジア太平洋地域の安定に協働することを約束した。そして、オバマ政権はアジア・リバランス政策を打ち出して、具体的な諸施策を実施している。上記のAN/TPY-2レーダーの日本への前方展開や、新型哨戒機P-8の配備、それに無人偵察機グローバルホークの配備など、アメリカは目に見える形のレベルでもアジア・リバランス政策を忠実に実施している。

 それに呼応して日本としても日米間の約束を忠実に果たすために、安倍政権はかねて懸案となっていた在沖縄海兵隊の普天間基地移設問題を鋭意解決中である。とりわけ、在沖縄海兵隊戦力のグアムへの移転計画に関しては、すでに950億円もの日本国民の税金をアメリカ政府に提供している。今後も安倍政権はオバマ政権に協力し、移転計画が順調に推進されるように努力を惜しまない方針だ。