6月12日木曜日付で、理化学研究所に対する「研究不正再発防止の提言書」が提出された翌週、6月16日月曜の夕刻に、決定的な報道がなされました。

 まずSTAP細胞を作成したと称する理化学研究所・小保方晴子研究室の冷凍庫に「ES細胞」と書かれた瓶が保存されていたことが明らかになりました。

 さらに、その内容物の遺伝情報が、やはり同じ16日の午後、山梨大学・若山照彦教授が行った記者会見で、保存されていた「STAP幹細胞」とされる細胞の第三者機関による解析結果と一致した、というのです。

「偽細胞詐欺」

 先週から今週にかけては、SATAP問題に関連して、インサイダー取引による第三者割当不正など、様々な情報が明らかになりました。

 その中でも実験に即して、地味に見えるこの「ES細胞」瓶発見と内容物鑑定の情報、分かりやすく言えば「STAP細胞」(あるいはSTAP幹細胞)とされていたものはES細胞を混ぜ込んだまがい物であったことが、かなり高い確率で示唆されており、実はこの時点でサイエンスとしては話が詰んでいます。

 そのあとで、まだ「検証には○○○自身の参加が」どうたらこうたら、というのは、既に科学ではなく別の思惑で発信されている情報である、と見分ける分別が重要と思います。

 今までは、未熟な学生がずさんな実験管理で過った実験データを公刊していたかのように見せ、また振る舞っていました。

 しかし、とんでもなかった。実際には意図的に虚偽の実験を行い、理化学研究所の内部のみならず広く社会を欺き、異例厚遇の処遇(29歳で課長級=教授相当の1研究ユニット責任者)を受け、多額の実験予算(半年で数千万円規模)を濫用、背任さらには横領していた容疑が濃厚になってきました。

 私はこの「若手」の「論文筆頭著者」に個人的に含むところなど全くありませんし、面識もなければ個人には何の興味もありません。ただ、3月以来の滅茶苦茶な発言と科学者としての基礎がまるでないことが明らかな振る舞いと仕事ぶりだけに限局して、とんでもないことであるのを、逐一具体的に指摘してきました。

 が、故意にここまで意図的な捏造に及び、かつその物証からずさんな「自称・実験ノート」(あれは落書きというべきもの)から、すべてばらまいて平気でいる神経が、正直全く理解できません。

 さらに、どういう謝金で雇われているのか知りませんが「やりて弁護士」なるものを雇用してコンスタントに無茶苦茶を社会発信、科学的事実と一切無関係に社会の皮相な主観的同情を得ようとじたばたしたキャンペーンの罪は重く、生涯二度と科学のカの字と関わる資格もないものと思います。

 こんな人間の肩を持ったハーバード大学、チャールズ・バカンティ教授もバカなことをしたものです。明らかに彼自身の汚点として、今後の評価を生涯にわたって下げることになりました。