品種開発で輸入品に対抗、
枝豆はまだまだ美味しくなる

“おつまみの王者”枝豆の歴史といま(後篇)

2014.06.20(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

 夏の食材の1つが「枝豆」。ビールの肴などとして“おつまみの王者”の地位を築いている。

 そんな枝豆を美味しい美味しいと食べつつも、どうやっておつまみの定番になったのか、それ以前に枝豆がどう作られているのかさえよく知らないことに気づく。

 そこで、まず前篇では、日本における枝豆の歴史を見るとともに、「ビールに枝豆」という定番の組み合わせがいつ頃から存在したのかを追いかけた。冷蔵庫が普及するよりはるか前の戦前からビールの肴だったのだ。

 今回の後篇では、現代の枝豆がどのように作られているか、栽培法や品種開発などの状況を見ていきたい。そこで、千葉市稲毛区にある「雪印種苗」の千葉研究農場を訪れた。同社は、飼料、野菜、花などの各種作物の種や苗の生産・販売などを行っている農産企業だ。

 枝豆の品種開発などを手がける園芸作物研究グループ野菜研究チームの坪倉康隆氏に、枝豆の栽培技術や品種改良などの手法を聞いた。枝豆づくりにはどんな極意があるのだろうか。

豆の中に「美味しさ」を貯め込ませる

 枝豆は大豆(ダイズ)を原料とする作物だ。大豆が熟し切らない段階で収穫する。だが、豆腐などに使われる大豆がそのまま枝豆用に使われているわけではない。坪倉氏は次のように説明する。「枝豆用の大豆はタンパク含量が低く、豆腐を作ろうとしてもおぼろ豆腐のようになります。大豆の中でも枝豆に適した品種があるわけです」

 では、枝豆に適した品種とはどのようなものか。「タンパク含有量が低い分、糖分やアミノ酸の含有量を上げて、美味しさを向上させようとしています。要は、タネの中になにを貯めやすくさせるかです」

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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