味のトレンドは「いい塩梅(あんばい)」へ

味の社会学(第9回)

2014.05.21(Wed) 菅 慎太郎
筆者プロフィール&コラム概要

 「今年、どんな味が流行るのでしょうか?」

 今年もこう聞かれる季節がやって来ました。というのも、毎年、春に「味のトレンド分析調査」を行い、この時期に発表しているからです。

 ファッションに流行のカラーがあるように、味にも年ごとにトレンドとなる味が存在します。それは「誰かが決めた」とかではなく、「支持される味」と言ってもよいでしょう。その「変化」を捉えることで、次の味を探っていくという調査です。

 その“観察”は、「コロンブスの卵」に近いものであると認識しています。消費者は大きなトレンドの中でなんとなく手にとって、なんとなく購入しています・・・そんな「無自覚、無意識」の行為を「観察」によって「可視化」していく。「味のトレンドを捉える」とはそれをコトバにすることによって「ああ! それ!」を探る作業なのです。

 筆者がどうやって味の変化に気づくのか。それは徹底した「現場調査」にあります。あちこちの売り場に出没し、どんな商品が多いのか、そしてその商品を誰が買ったのかを調査しています。

 ときには「手に取りそうでやっぱり棚に戻した」といった「動作」にも着目します。POS(Point of Sales)の売り上げデータは、客観的な指標としてよくデータ分析に用いられますが、「買った」という「過去」のデータです。トレンドの解明は「購入前」が重要です。「消費者が持つイメージ」や「期待感」「ワクワク」や「ドキドキ」といった感情的側面を、いかに客観データとして捉え、次のトレンドのベクトル(方向性)を探っていくかが、調査の最も大切なポイントです。

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株式会社味香り戦略研究所 味覚参謀、口福ラボ代表
1977年埼玉県生まれ。味覚コンサルタント&コピーライター。「おいしさ」の表現を企画する口福ラボを主宰し、味香り戦略研究所では「味覚参謀(フェロー)」としてマーケット分析、商品開発を手がける。キッズデザインパーク講師。日本味育協会認定講師。渋谷珍味研究会顧問。鹿児島市新産業連携創出WGアドバイザー。


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食の安全に対して国民の関心が高まっている。今後、安全で美味しい食の供給国としての日本を考えた時にもこの問題は重要になる。食の安全の話題を中心に、食トレンド、食品マーケットなど、食にまつわる様々なテーマを取り上げる。