今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(4月13日放送/Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、緊張の高まるウクライナ情勢やロシアの動向を解説したほか、核軍縮と核不拡散に関する外相会合(NPDI)で「広島宣言」が採択されたことに関連し、核兵器廃絶の提言を行った。和泉流狂言師の小笠原(匡)氏との電話トークを交えてお伝えする。
ウクライナで武装集団が使用した、ロシア軍しか保有していない自動小銃
中山 JBpressが「ネオナチ新世代の台頭」という記事で、この数週間スウェーデンで極右集団の若者らによる事件が相次いでいることに懸念が高まっていると指摘しています。
同国で3月8日に殺人未遂事件を起こし、国外逃亡している右翼過激派の30歳の容疑者男性について、警察は「ウクライナに行った可能性がある」と言及。この容疑者は事件前、ウクライナにいたことも確認されているそうです。
そのウクライナでは今、ドネツク州などの東部3州で親ロシア派の武装集団が行政施設などの占拠を続け、一部地域では治安部隊による強制排除が始まり、緊張が高まっていることが報じられています。
12日にはクラマトルスクでも警察署の占拠を試みる武装集団と警察隊の銃撃戦が起きましたが、この際に武装集団が使用したカラシニコフ自動小銃AK100はロシア軍しか保有しない型式であることが分かっています。ここから言えるのは、武装集団をロシアが仕向けた可能性が高いということです。
思うに、ウクライナに国外逃亡したとされるスウェーデンの殺人容疑者も、もしかするとロシア側が工作員として紛れ込ませたスパイであり、ネオナチという旗に隠れて隣国の政治体制を転覆させようとしたのかもしれません。
スパイ活動は現実世界だけでなくネット上でも起こり得る
日本でも過去に他国からの諜報活動の事例があります。有名なのは、ソ連国家保安委員会(KGB)のスタニスラフ・レフチェンコによる日本国内での工作活動が暴露された「レフチェンコ事件」です。
レフチェンコは日本の政財界、官僚などの人物を情報提供者とするスパイ網を構築し、後に米国に亡命後、KGBの日本人協力者として石田(博英)元労相らの名前を供述し、日本の政治史に大きな足跡を残しました。
今はインターネットを利用した工作活動ができる時代です。例えば、ネット上で右翼的な発言をする人を指す「ネトウヨ」という略称がありますが、これが果たして全て日本人なのかどうか。