第1回大学対抗カンボジア・ロボットコンテスト(以下「ロボコン」)まで、この原稿を書いている時点であと20日である。あと20日・・・となって、ようやくバタバタと動き出した感がある。

 特に、タイの公共放送局MCOTのジョッキーさんとニンさんとの打ち合わせ以降(前回参照)、ロボコン本番に向けて確実に前に進んでいる。

進行台本、番組のセット・・・具体的に進み始めた準備

 まず、我が国営テレビ局では、ロボコンまでにどんな美術(いわゆる、番組に必要なセット、大道具、小道具など)を揃えなければいけないか、明確に分かってきた。

 例えば、会場となるスタジオ裏には、参加する学生たちのためのピットを設けなければならない。ピットとは、学生たちがロボットの最後の調整をしたり、バッテリーをチャージしたりする場所だ。そこに、参加チーム数分のテーブルと電源タップを用意しなければならないのだ。

ロボコンに向け、国営テレビ局による学生たちへの取材も快調(写真提供:筆者、以下同)

 ところが、ここカンボジアでは、そういう事務用のテーブルやデスクというのは、同じものがなかなか揃わない。

 日本のように大きなホームセンターがあるわけでもなく、小さな商店の軒先に並ぶのは海外から輸入している既成品や中古品である。だから、それを参加チーム分揃えるというのは結構大変なのだ。

 事務用のテーブル一つ取ってもそうなのである。とにかく、参加チーム分、いろいろなものを揃えようとすると、同じものが1つの店や業者ではなかなか揃わない。

 そのため、国営テレビ局の副局長である“松平の殿様”はいろいろ試行錯誤しているらしく、そのたびに、「ジュンコさん、この間揃えると言っていたテーブル、やっぱりダメでした。こんな形なら恐らく全部揃うんですが、どうでしょう?」と私に聞いてくる。

 正直、ピットだからカメラで映すわけでなし、テーブルなんて全部同じものである必要はないと思っているので、何でもいいと思っているのだが、どうもそういうわけにはいかないらしいのだ。「きちんと、体裁が整っていること」に、殿様はいつもこだわるのである。

 さらに、私はジョッキーさんが残していってくれたロボコンの進行リストを基に、まず叩きの進行台本を作ってみた。それを殿様がチェックし、開会式や閉会式をどうカンボジアの様式に従って変えていくかを検討。