サステナブルな国家を目指すためのヒント

ヨーロッパ・日本の都市構造の違いから考える

2013.09.17(火) 山崎 養世
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ヨーロッパはかつて、地球上の8割の土地を支配する植民地帝国をつくり上げた。しかし20世紀初頭、「世界の工場」の地位を米国に奪われ、さらに1970年代からは、日本や韓国、台湾、中国など非西洋世界にその地位を奪われていった。

社会構造、都市構造から日本の今後を考える

 しかし今、ヨーロッパを見ると、ベネルクスやスイス、北欧3国、ドイツなどは日本よりも所得が高い。

 日本が目指す国の姿――例えば食料自給率、エネルギー自給率や所得水準が高く、過密過疎の問題もなく、国民の満足度・幸せ感が高い、サステナブルな国家――に、上記の国々が該当するが、なぜ彼らには実現できたのだろうか。

 その根本の原因は、社会構造や都市構造の特性といったところにもある。ドイツなどヨーロッパとの比較を例としながら、日本の社会の発展について考えたい。

秩序・パーフェクト・コンプリート――人間社会の3形態

 いわゆる近代国家、先進国の多くはこれまでに3つの社会の形態を経ている。あとで詳しく説明するが、まずその3つの社会を紹介し、それをベースに考えてみよう。

(1)封建型農耕社会:「秩序」を理想概念とする閉じられた分散の社会。
(2)工業化社会:「パーフェクト」を理想概念とするピラミッド型社会。
(3)多次元ネットワーク社会:「コンプリート」を理想概念とする、複数の核が有機的に結び付いた社会。

 補足すると、工業化社会の「パーフェクト」とは、1つのものの全体について、それが完全なあり方としてあることを指す。例えば、巨大組織がよく利益を出す、GDP(国内総生産)が大きい、といったことだ。多くのものの中で、それが一番優れているという順位づけ可能な概念を指す。

 一方、多次元ネットワーク社会の「コンプリート」とは経済学用語でもあるが、多くのものがそれぞれ対応し、最適に機能しているという状態を指す語だ。必ずしもbestとかlargestを意味しない。一人ひとりが役割を持ち、完結した関係性を持った状態だ。

 国によって発展の仕方は異なるが、この社会構造の考え方を踏まえ、歴史を追って具体的な流れを見てみたい。

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1958年生まれ、東京大学経済学部卒。カリフォルニア大学ロサンゼルス校でMBA(経営学修士)取得。大和証券勤務を経て米ゴールドマン・サックス本社パートナー、ゴールドマン・サックス投信社長などを歴任。現在、一般社団法人「太陽経済の会」代表理事、くにうみアセットマネジメント(株)代表取締役、日本コアパートナー(株)代表取締役社長、(株)成長戦略総合研究所 代表取締役社長。

 

東奔西走

新興国が急速に力をつけている現在、政治にせよ企業経営にせよ、かつてのように米国や欧州を向いていればよい時代は終わった。アジアや中国、そして中南米、アフリカ諸国、中東など様々な地域に目を向けて国の経営も企業の経営もしなければならない。このコラムは、そうした世界多極化時代にどのように我々は対処しなければならないのかを追究する。

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