8月5日に、アメリカ空軍ヘリコプターHH-60ペーブ・ホーク捜索救難ヘリコプターが沖縄宜野座村キャンプ・ハンセン内に墜落した。墜落したのは「トモダチ作戦」に際して被災地に出動したヘリコプターである。そのことを知った数百名の日本の人々が、墜落に際して死亡した搭乗員に対しての弔意と、墜落機が大震災に際して救難活動に従事してくれたことに対する謝意を示しているという報道がなされていると、日本の友人が知らせてくれた。
いまごろ、このような事実がようやく人々の耳に達したのはメディアの怠慢と驚いたが、多くの人々が嘉手納基地に弔意や謝意を評している状況は、一般国民の感覚というものはいかに常識的なものであるのかということを示している。
相変わらずの偏向報道
一部メディアでは「墜落したHH-60はトモダチ作戦の救援活動で活躍した」という事実を、墜落の報道に際して紹介していたと思うが、ちょうど海兵隊輸送機オスプレイが岩国基地から普天間基地に移動する最中であったためか、多くのメディアは無理やりオスプレイ配備と関連付けさせようという下心のある取り扱いをしていたようである。
それどころか、ヘリコプターの墜落事故ということで、2004年8月13日に沖縄国際大学構内に海兵隊の大型輸送ヘリコプターCH-53が墜落した事故を再び取り上げて、いかにアメリカ軍ヘリコプターは危険な存在であるか、そして“ヘリコプターに輪をかけて危険な”オスプレイが配備されているという報道姿勢であった。
その反面、そのような付帯的情報を大きく取り上げながらも、トモダチ作戦でのアメリカ空軍をはじめ海軍・海兵隊の活躍に関して論及はしない。
多くのメディアが、今回墜落した空軍HH-60ヘリコプター自身ならびにその同型機多数も、2004年に墜落した海兵隊CH-53ヘリコプターの同型機多数も、ともに「トモダチ作戦」に出動し活躍したというこの種のヘリコプターの“有用性”には触れないで、墜落するかもしれないといった“危険性”ばかり強調している。それらメディアは、オスプレイの“安全性”というものに拘泥し“オスプレイ恐怖症”を作り出してしまった過ちを反省していないようだ。