7月2日、中国海軍艦艇7隻が対馬海峡を抜けて日本海を北上した。中国海軍とロシア海軍の合同演習「海上連合2013」に参加するためである。それらの中国軍艦は、7月5日、ロシア沿海州ウラジオストクのロシア海軍基地に到着した。
「海上連合2013」は中国海軍とロシア海軍の合わせて18隻の水上艦艇、艦載ヘリコプター、航空機、海軍特殊部隊、それに“敵潜水艦役”のロシア潜水艦が参加して、7月5日から12日までの間、ウラジオストク沖のピヨトル大帝湾を中心に実施されている。
精鋭艦隊を派遣した中国海軍
中国海軍によると、「海上連合2013」に参加している中国海軍艦艇は北海艦隊所属艦5隻と南海艦隊所属艦2隻、それにヘリコプター3機と海軍特殊部隊1個分隊で、指揮官は北海艦隊の楊駿飛副司令官である。これらの軍艦は全て対馬海峡接近中に海上自衛隊により視認され、中国海軍が公表していた通りであったことが確認された。
◎「海上合同2013」参加中国艦隊
【北海艦隊所属】
・051C型(旅洲級・瀋陽級)駆逐艦:「瀋陽」「石家庄」
・054A型(江凱II型)フリゲート:「煙台」「塩城」
・大倉級(福清級)補給艦:「洪澤湖」
【南海艦隊所属】
・052B型(広州級)駆逐艦:「武漢」
・052C型(蘭州級)駆逐艦:「蘭州」
「瀋陽」と「石家庄」すなわち051C型駆逐艦は対水上艦・対潜水艦・対航空攻撃能力全てが強力であるが、とりわけエリア防空能力を重視した駆逐艦であり、「煙台」と「塩城」すなわち054A型フリゲートは対潜水艦戦能力が強化されている。
052B型駆逐艦の「武漢」は強力な対水上艦攻撃能力が付与されており、052C型駆逐艦「蘭州」は、中国が独自開発した“中国版イージスシステム”搭載艦で防空能力が極めて高いとされている。