マット安川 家族問題に取り組む池内ひろ美さんを迎え、震災前後の日本の家族・夫婦の変化などについて伺いました。強くなった女性の勘違い、浮気の増加、いじめの問題など、社会の最少単位である家族をめぐるあれこれ、必見です。

東日本大震災を機に危うさを増した家族の絆

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:池内ひろ美/前田せいめい撮影池内 ひろ美(いけうち・ひろみ)氏
夫婦・家族問題評論家。東京家族ラボ主宰。結婚と離婚、恋愛、親子関係などのコンサルティングを行なう。新聞社系文化センター講師を務めるほか、マスコミ出演も多い。『男の復権』『妻の浮気』『結婚の学校』『良妻賢母』など、著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

池内 東日本大震災の前と後で、家族のありようは変わったと思います。

 家族というのは社会の最小単位ですから、社会で起こることにもろに影響を受けます。これはあまりよい話ではないですが、震災を機に、夫婦の絆、家族の絆とさんざん言われましたが、その絆が危うくなっている家庭が多い。

 何も起こっていない時は、どんな人間関係でも割とうまくいきます。表面上だけだったらいい顔もできる。しかし、何かコトが起こった時に、人間関係の本質が見えてしまう。

 仲のいい夫婦は、より絆が強くなる。ところが、そうでない場合、例えば以前から何となく夫に不信感を持っていたけれども、放射能の問題などを話している時に、やっぱりこの人は信用できないと確認してしまうんです。

 私のところには被災して避難している方たちも相談にみえます。

 例えば震災の直後、炊き出しで4人家族のところに4個のおにぎりが届いたのを、お父さんが1人で全部食べたという家庭もおられる。逆に、お父さんは2日、3日食べないで、家族に分けたという家庭もある。そういうことを人は忘れません。

 ですから震災直後ではなく、今の方が家庭の問題が起きてくるんです。

女性は優秀になるとともに知恵がなくなった

 女性が強くなったかどうかというと、言葉が非常に難しいですが、お勉強はできるようになったのに、知恵がなくなったなと思います。学歴は高くなり、仕事のキャリアもどんどん積まれている。だけど、家の中で家長であるお父さん、ご主人を立てることを知らない。

 例えば、私のところにご相談に来られた女性に、「あなたのご主人は」と話すと、「ウチは主人ではありません、従属していません」とおっしゃる方がいます。