学校を卒業し、4月から社会人となられる方はJBpressの読者の中にも少なからずおられるでしょう。たいていの新卒は、右も左も分かっていない状況下、新しい世界に飛び込みます。大きなミスをしでかして上司を激怒させる方も中にはいらっしゃるでしょう。今回は、そんな方の参考になることを書こうと思います。

 筆者が以前勤めていた会社での出来事です。会社が企画したセミナーの会場を、私が探していて、設備がいい割に会場費が安いところを見つけて、予約を入れました。ダイレクトメールには当然会場名が書いてあります。

 2週間ほど経った頃だったでしょうか? 私に会場を探せと指示していた先輩が、上司から厳しく叱責されています。どうも私が選んだ会場の価格が高すぎるのになぜ指導しなかったのかということで怒られているようです。

 怒られている先輩は私のために怒られているわけで、先輩に悪いことしたなぁと思いましたが、上司の怒号を聞いているうちに腹が立ってきました。そんな時、私がいるのに気がついた上司が私にも怒りの矛先を向けてきます。

 上司のすごい剣幕に、オフィスは凍りついています。上司の怒りは誰が見ても収まらないように見えていたでしょう。しかし私は15秒で上司の怒りを鎮めてしまいました。さて、私は何をしたのでしょうか?

猛女カテリーナの予想外の反撃

 <傑出した指揮官としてやらなければならないことは二つある。第一に敵を愕然とさせること。第ニに敵の次の手を見破って、効果を無くするような構えを立てておくことである。>
(『ディスコルシ 「ローマ史」論』、ニッコロ・マキァヴェッリ著、永井三明訳、ちくま学芸文庫)

 

 戦争をする時、相手を愕然とさせる手段で勝った例は枚挙にいとまがありません。織田信長が桶狭間でやった奇襲攻撃や、長篠の合戦での鉄砲のような新兵器の投入なんてことは、ヨーロッパでもよく行われていました。