経営のためのIT活用実学

本当に使える顧客情報はどこにあるのか?毎日溜まっていく「ビッグデータ」をCRMに生かす

2013.01.23(水)  横山 彰吾

先日、CRM導入のプロジェクトを進めているお客様のところで、ハッとさせられる出来事があった。

 「顧客情報」の項目としてどういうデータを持つかを検討していたときのことだ。ほとんどのプロジェクトでは「あれも欲しい、これも欲しい」と、データ項目が際限なく増えてくるものだが、今回に限って「いや、これから溜まるから、簡単なものでいいのでは?」と言われたのだ。

 溜まる? 簡単? 古くからSFAやCRMに携わっている人からすると、「いや、ここ大事なところなので」と言いたくなるシーンなのだが・・・。

これまでの「顧客情報」は本当に使えたか?

 CRMシステムを構築する際、様々な視点からの分析をするために、消費財なら年齢、性別、収入、趣味嗜好などの属性、生産財なら業種や規模などの属性を持つように設計するのは、当然である。さらには、これまでは「個々の顧客の購買力がどの程度か」を把握する情報の補完が、CRMにおける顧客情報のいわばキモの部分であった。

 いままで自分が関わってきた営業改革のプロジェクトでも、顧客ごとの「自社売上高」「(その顧客の)対象製品カテゴリ購買力」、そこから計算して「他社販売高」・・・そしてそこが販売余地、という枠組みに(半ば無理やり)当てはめるものが多かった。

 もちろんその情報を正確に収集するのは、かなり難易度の高い作業である。システム上に項目を追加しただけでうまくいくものではない。

 実際に、何年かがかりで一生懸命やってもうまくいかなかったケースがあるし、逆に、顧客情報の収集を最優先して、なんとか通常業務として定着させた、というケースもある。

 つまり、いままでのCRMシステムでは、顧客の「魅力度」と、自社の「密着度」をどのような形のデータにして蓄えていくかという点が、大きなポイントとなっていた

 ところが今回システムを構築することになった会社では、「必要なのは分かるけど集められないし、更新できない。データが陳腐化するのが目に見えている」と最初から一刀両断なのである。要はその企業にとっては“しっくりこない”“イメージが湧かない”やり方ということだ。

 確かに実際の効果の面においても、顧客の売上高などの…

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