橋下徹氏率いる日本維新の会の支持率が、大方の予想を覆して低迷している。10月に発表された政党支持率を見ると、時事通信社の調査では1.2%、NHK調査でも2.4%に過ぎない。フジテレビの新報道2001の調査(10月14日放送)だと、次の選挙の比例で投票したい政党として維新の会は3.4%となっている。フジテレビの調査は首都圏が対象なので大阪や関西圏とは大きく異なるだろうが、それにしても低い。

 維新の会現状を見れば、当然の結果であろう。

維新に駆け込んだ国会議員のみっともなさ

 大阪維新の会が国政に進出するためには、政党要件をクリアしなければならない。その要件とは、公職選挙法や政治資金規正法、政党助成法などで決まっているが、衆参両院議員が合わせて5人以上所属していること、または直近の国政選挙で2%以上の得票があることの2つだ。

 国政選挙をやったことがない維新の会は、後者には該当しない。そこで現職の国会議員の引き抜きを図ったわけだ。

 維新の会に駆け込んだ政治家の面々を見ると、ほとんど誰も知らない国会議員ばかりだ。石原慎太郎都知事が「あの顔ぶれでは周りは失望するだけだろう」と酷評したのも当然だ。

 衆議院議員5人が維新の会に駆け込んだが、民主党から3人、自民党から2人だ。自民党は維新の会のお膝もとの大阪が選挙地盤の2人だ。橋下人気にあやかろうという思惑が見え見えである。

 民主党の3人のうち2人は、前回の政権交代ブームに乗って小選挙区で当選しているが、1人はそれでも負けて、比例で復活した議員だ。民主党におれば、次回選挙は絶望的だろう。

 昔、大野伴睦(おおの・ばんぼく)という政治家が、「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人」と言ったが、「ただの人」にならないように恥も外聞もかなぐり捨てて維新に駆け込んだというのが真相だろう。みっともない姿だ。世論調査の結果は、それを見抜いた有権者の賢明な判断ということだ。