米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載する韓国サムスン電子製スマートフォンが米アップルの特許を侵害しているという評決が出たことから、モバイル業界は第3のOSに注目するようになっているという。米マイクロソフトの「ウィンドウズフォン」だ。
独自のインターフェースで訴訟を回避
携帯電話メーカー、通信事業者ともに、アンドロイド搭載端末を市場投入することのリスクを懸念するようになっており、今回のアップル対サムスンの特許訴訟の勝者は、マイクロソフトかもしれないというのだ。
もし、こうした懸念が拡大すればマイクロソフトにとっては千載一遇のチャンス。モバイル分野で不振な同社が一気に巻き返しを図れるのかもしれない。
ウィンドウズフォンは、アイフォーン(iPhone)のOS「iOS」やアンドロイドと異なり、アプリを表すために正方形のアイコンは使わない。
サイズの違うタイルを並べるという異なる手法を取っており、米ウォールストリート・ジャーナルによると、こうした独自のユーザーインターフェースがアップルから訴えられるリスクを低減できると注目されているという。
スマホ普及のカギを握るのは?
ただ、マイクロソフトはジレンマに陥っていることも事実。ウィンドウズフォンの普及が進まないのは、ユーザーにとって魅力的なアプリが豊富にそろっていないことが理由だが、外部の開発者がウィンドウズフォン用アプリの開発に積極的でないのは、ユーザーが少ないからと言われている。
マイクロソフトはこうした状況を打開しようと、開発費用を負担したり、奨励金を出したり、販売業者に対し高い利益率を設定したりして普及を図っているが、今のところ大きな成果は出ていないという状況だ。
先頃米IDCがまとめた調査によると、今年4~6月期のウィンドウズフォン端末の世界出荷台数は540万台で、これはアンドロイドの20分の1、アイフォーンの5分の1という規模。