今回の『中山泰秀のやすトラダムス 』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)は、元産経新聞記者の今西和貴氏を交え、松本・地下鉄サリン事件や会社員VX殺害事件などオウム真理教をめぐる一連の事件、そして大阪市の公募区長、維新政治塾の塾生選抜について語った。

上九一色村の捜査直後に、突然焼失したオウム真理教モスクワ支部

中山 地下鉄サリン事件の殺人容疑などで特別手配されていたオウム真理教最後の指名手配犯・高橋(克也)容疑者が逮捕され、連日メディアを賑わしています。

地下鉄サリン事件から14年、地下鉄駅で犠牲者を追悼

地下鉄サリン事件の慰霊式で犠牲者を追悼する駅員〔AFPBB News

 地下鉄サリン事件が起きた当時、私は秘書官として永田町に勤務していました。その日はたまたま荷物があったので車で出勤し、幸運にも被害を免れたのです。首相官邸近くに到着すると地下鉄の通気口から大きなファンの音が鳴っていて、周囲には体育座りでうなだれる人の姿がありました。

 外務省の前にはもっと多くの人がいた。一体何が起きたのかと驚いていたところに、秘書仲間から安否確認の連絡が入り、事件の存在を知ったのです。

 94年に起きた「会社員VX殺害事件」の現場を実際に見に行ったこともあります。この事件は、大阪市淀川区の路上を歩いていた会社員がオウム真理教信者に注射器に入れたVXの溶液を噴霧され、抵抗したため注射器の針が首に刺さり死亡した、VXガスによる世界初の殺人事件です。

 会社員は教団の大阪支部の分裂を図ったとしてスパイだと決めつけられていた。この事件は猛毒のVXガスを使用したうえに、見張り役と実行犯に分かれ、実行犯が2人で被害者を挟み撃ちにするなど、極めて計画的な手口によるものでした。

 また、関西のテレビ番組でコメンテーターの勝谷誠彦さんがオウムとロシア(旧ソ連)の関係を指摘していて鋭いなと思いました。かつてモスクワ市の露日大学にオウム真理教モスクワ支部がありましたが、発起人となった国会議員の名が挙がっていたことは忘れられない記憶です。

 しかし、教団拠点のあった山梨県旧上九一色村に家宅捜索が入った直後、突然露日大学で火事が発生し、その支部のあった部屋だけが焼失したのです。

 現地の新聞を取り寄せて出火原因を調べると、原因は「冷蔵庫のコンセントに積もった埃が漏電を起こして火事になった」となっている。証拠隠滅を匂わせるような出来事ですが、オウム真理教絡みの事件にはこうしたケースが多かったと思います。

オウム真理教と北朝鮮のコネクションが存在した?

中山 他にも忘れてはならないのが、松本サリン事件です。事件当時、第1通報者である河野(義行)氏は、自身の妻が被害者であるにもかかわらず容疑者としての疑いをかけられました。

 マスコミ各社も一斉に河野氏が犯人であるかのような報道を繰り広げた。あの報道はどこからどんな経緯で出されたのでしょうか。