今回、6月10日放送の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)では、就任直後に早くも波紋を広げている森本敏防衛相の「オスプレイ発言」や、橋下徹大阪市長の大飯原発再稼働容認、大阪市で実施されたパブリックコメントなどについて中山氏が解説した。

在日米軍が撤退した場合、領土問題にどう対処するのか

中山 民間から初めて起用された森本(敏)防衛相が、早くも試練に直面しています。森本氏は就任から一夜明けた5日の閣議後の記者会見で、開発段階からトラブル続きの米海兵隊・垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが4月にモロッコで起こした墜落事故に関して、「配備前に全ての事故調査結果が提供されることが望ましいが、必ずしもそうならないことはあり得る」と発言。

【写真特集】米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ

米海兵隊が開催したヘリコプターの展示会で、MV-22オスプレイを見学する人々〔AFPBB News

 事故の原因が究明されなくても、沖縄県の米軍普天間飛行場に予定通り配備される可能性があるとしたこの発言は地元の反発を招き、民主党沖縄県連からは異例の辞任要求を突き付けられたと伝えられました。

 オスプレイというのは、英国のホーカー・シドレー・ハリアーのように垂直に離着陸するもの。

 普天間基地にはUH-1ヒューイなどのヘリコプターが常駐していますが、離発着音が大きく、また斜めに離発着するため騒音の発生時間が長いという問題があります。その点オスプレイは、プロペラを上に向けてジェット噴射によって上昇するため、通常よりも上昇速度が速く、その分周囲に与える騒音被害も減るというメリットがある。

 軍用機の墜落事故は確かに怖いですし、過去には沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事件もありました。しかし、悪い面ばかりを見ていても仕方ありません。

 沖縄の在日米軍は、沖縄を含めた我が国の本土全般の防衛上、極めて重要な役割を担っているんです。第2次世界大戦当時、米軍が沖縄経由で侵攻してきた事実からもそれは明らかでしょう。まもなく戦後70年が経ちますが、沖縄が他国にとって攻め入りやすいポイントであることに変わりはないはず。すなわち、軍事的要衝であることを認識すべきです。