Digital Experience! TOP>JBpress>マーケティング道場

顧客に購買動機を与える「共感性」と「必然性」

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(9)

2012.06.07(木) 小川 和也
    http://goo.gl/VeOY4
1
nextpage

 購買行動が何らかの形でソーシャルメディアの影響を受けること、すなわち「購買行動のソーシャル化」にはいくつかの壁が立ちはだかっていることを前回指摘した。

ソーシャルによる物販の「壁」を乗り越えるには

 一方、フェイスブックで友人が購入した商品のコメントを読んだことがある人は62%に達し、そのうち75%がそのコメントに付いている商品画像から販売サイトに遷移したことがあるという。

 さらにそのうち53%がその販売サイトで商品を購入した(最終的に全体の25%が商品の購入につながった)というSocial Labsによるリポート「Social Impact Study 2012」がある。

 また、選定時にクチコミの影響を受ける人は81.6%、クチコミが購入の決め手になる人は39.3%だったとするgooリサーチ「購買行動におけるクチコミの影響」、61.6%がソーシャルメディアをきっかけに商品・サービスを購入したことがあるというヘンケルジャパンによるリポート「ソーシャル時代の消費者購買行動」など、「購買行動のソーシャル化」を裏付ける調査報告は日に日に増えている。

米国の08年ネット広告売上、過去最高の234億ドルに

ソーシャルメディアが購買行動に影響を与えていることが調査結果からわかる〔AFPBB News

 実際、僕もその潮流を確かなものだと考えているのだが、そこにはいくつかの越えるべき壁が立ちはだかっていることもまた事実だ。

 「購買行動のソーシャル化」は、概念的には購買行動がソーシャルメディアの影響を受けることだが、もう少しブレイクダウンすると、ソーシャルメディアの中に流れる商品・サービスの情報を起点にその販売サイトへ遷移しそれを購入することや、店頭で購入する際の判断材料とされることなどだと言える。

 そこで、ソーシャルメディアの中に商品・サービスの情報を単に流しさえすれば、販売チャンスが生まれると企業が安易に考えるところにいくつかの壁が立ちはだかるのだ。

 では、その壁を乗り越えるためには何が必要か。

 「共感性」と「必然性」こそが、その壁を乗り越えるため鍵であると、僕は考えている。

 もちろんもっと細分化して考えれば、その鍵は多岐にわたる。しかしこの2つの鍵は、「購買行動のソーシャル化」において特に重要な意味を持つと考えている。

1
nextpage
  • PR
  • PR
新着記事
MORE
BackNumber
MORE
ArticleRanking

Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

小川和也オフィシャルサイトはこちら

慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

マーケティング道場

現在のマーケティングの課題、デジタルマーケティングの最新手法、マーケティング投資の考え方とは? 確実に顧客に届き、アクションを促す新しいマーケティングのあり方を探る。

>>最新記事一覧へ