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顧客に購買動機を与える「共感性」と「必然性」

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(9)

2012.06.07(木) 小川 和也
    http://goo.gl/VeOY4
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 (4)は、これからの1つの可能性として挙げてみた。最近注目度の大きいPinterestがその可能性を担う代表格だ。

Pinterestのトップ画面

 Pinterestは、画像や動画を自分のページにスクラップし、ほかのユーザーのスクラップに気に入ったものがあればそれも追加できるサービスだ。

 とてもグラフィカルでクールなインターフェイスが魅力のサービスだが、その魅力こそが共感を生み、ショッピングに結びつく可能性があることは、楽天がこのサービスを運用する米国Pinterest社に巨額の出資をしたことが示唆しているだろう。

 フェイスブックの投稿の反応率において、画像や動画が総じて高いこともそうだが、人はグラフィカルなものに感情を動かされやすい面はあるし、それが共感へ昇華しやすいという見方はあながち間違ってはいないと感じている。

SNSとオンライン販売との相関の必然性を利用した成功事例も

2.購買行動のソーシャル化における「必然性」

 購買行動がソーシャルメディアの影響を受けるとすれば、そこに必然性が伴う必要があると考える。

 例えば、ticketmasterという米国のチケット販売サービスがある。ticketmasterでは、フェイスブックと連動させることで、コンサートや映画などのチケット販売において、友人がいつ、どの席に座る予定かということを可視化したり、ほとんどの人が1人でショーに行くことがないことに着目し、一緒に行く人のグループを作り、チケットを共同購入へ導くようなフェイスブック用アプリを提供している。

 コンサートや映画を観にいくに際しては“誰かと一緒に”という場合が多く、フェイスブックを通じて“誰かと一緒に”を支える優れた手段を提供することで、チケット購入につなげている。ここにはまさに、チケット購入とソーシャルメディアの相関の必然性が見受けられる。

 また、成果が出ていないということでネガティブな見方をされることも多いフェイスブック上のオンラインショップだが、その老舗であり、しばしば成功事例として取り上げられる米国のフラワーショップ1-800-Flowers.comは、フェイスブック上の友人に花をギフトとして送ることができる「Group Gift」というサービスを提供している。

 ここにも、“フェイスブック上の友人に花をギフトとして送る”という、オンラインショップとソーシャルメディアの相関の必然性が存在する。

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Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

小川和也オフィシャルサイトはこちら

慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

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