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顧客に購買動機を与える「共感性」と「必然性」

ソーシャル化する社会が世界を大きく変え始めた(9)

2012.06.07(木) 小川 和也
    http://goo.gl/VeOY4
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消費者が「共感」する起点となりうる4つのポイント

 この手の共感は、コミュニケーションの延長線上で「商品ではなくストーリー」に対して生じやすいと先に述べたが、加えて、その共感の起点となりうるものをここでいくつか挙げてみたい。

(1) 人と人のつながりを必然とした構造
(2) 発信者の影響力
(3) みんなの意見が可視化された状態
(4) グラフィカルなもの

 まずは(1)だ。人と人のつながりの中でこそ共感が存在するわけだから、それを必然とした構造の上でこそ、共感消費は生まれやすい。例えばそれは、コミュニティ、助け合い、グループで購入する構造だ。

 (2)は、いわゆる「キュレーション」型のものだ。実は著名人の発信ばかりが影響力を持つわけわけではなく、友人・知人の影響を多大に受けていることは、「Consumer Trust in Online, Social and Mobile Advertising Grows(nielsenwire)」をはじめとした数多くの調査が示している。

 しかしそれでも、その領域に詳しい人や憧れの人が発する情報から受ける影響は小さくないし、それが共感へと派生しやすいことは事実だ。

 この観点で作られているのが、新しいファッションを流行させる人(スタイリストなど)のクローゼットの中身を購入できるMaterialWrld、ハリウッド女優などの著名人がアイテムをセレクトしてすすめてくれるOpenSky、業界の著名人が目利きとなってラグジュアリーブランドを紹介するAHAlifeなどだ。

 国内でも、キュレーションプラットフォーム「NAVERまとめ」において、アフィリエイトの仕組みの上で購買行動が活性化するようであれば、まさに「キュレーション」型の購買行動の成功事例となりうる。

 (3)は、例えばフェイスブックの投稿(情報)で、たくさんの「いいね!」やコメントが1つの人気ランキング的なお墨付きとなり、そこから共感に派生するものだ。これは、みんなの意見が可視化されることで、特定の投稿(情報)の信憑性や価値、関心を高める作用に発展するものだ。

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Kazuya Ogawa

アントレプレナー / デジタルマーケティングディレクター / 著述家
西武文理大学特命教授

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慶應義塾大学法学部卒業後、大手損害保険会社勤務を経て、2004年グランドデザイン&カンパニー株式会社を創業、代表取締役社長に就任。数々のITベンチャービジネスや、デジタルマーケティングディレクターとして大手企業や行政、アーティスト等の先端的デジタルマーケティング事例を数多くつくり続けている。

ビジネスだけではなく、デジタルと人間や社会の関係の考察と言論活動を行っており、著書、寄稿、講演、メディア出演多数。主な著書に、「デジタルは人間を奪うのか」(講談社現代新書)、日本で初めての概念をテーマとした「ソーシャルメディアマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルメディア維新」(共著・毎日コミュニケーションズ)、「Facebookマーケティング」(共著・ソフトバンククリエイティブ)、「ソーシャルブランディング」(共著・インプレスジャパン) など。

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