米国の調査機関ピュー・リサーチ・センターが13日に公表した最新のインターネット利用動向調査(PDF書類)によると、 米国では5人に1人(22%)がいまだインターネットにアクセスしておらず、同国におけるデジタル格差が依然として存在することが明らかになった。

3つのグループでデジタル格差が顕著

 同社は2000年に同様の調査を行っているが、その時点と比較すると性別や人種の違いによる格差はだいぶ縮まった。例えば10年前のインターネット利用率は男性が50%、女性が45%だったが、2011年はそれぞれ80%、76%へと上昇し、その差も縮まった。

ネットにハマるハイテクおばあちゃん増加中

日本ではハイテクおばあちゃんが増殖中だが・・・〔AFPBB News

 人種別で見ると、10年前は白人が49%、黒人が35%、ヒスパニック系(中南米系)が40%だったが、2011年にはそれぞれ、81%、71%、68%に上昇した。

 ピュー・リサーチ・センターは「家庭における高速ブロードバンドアクセスといった点で見ると依然、違いはあるものの、人種間の格差はほぼ解消しつつある」と結論づけている。

 ただその一方で、特定の消費者層では今も普及が進まないという状況だ。調査によれば、高齢者(65歳以上)の59%、高校未卒業者の57%、世帯年収3万ドル未満の38%がいまだネットを利用しておらず、この3つのグループのデジタル格差が顕著だという。

「利用しない」原因の大半は生活環境

 この調査は、昨年の7月25日から8月25日にかけて、固定電話と携帯電話を使って、18歳以上の米国成人を対象にアンケートを実施し、集めた2260人の回答を集計、分析した。

 これによると、インターネットを利用していない人々のほとんどは、これまで一度も利用したことがなく、世帯内で利用している人もいない。ほぼ半数(48%)はその理由について、「インターネットは自分にとって関係がないもの」と考えている。

 またインターネットを使いたいとは思ってはおらず、ネットで情報を入手したり、コミュニケーションを取ったりする必要もないと考えているという。