マット安川 今回は自民党参議院議員・森まさこさんが初登場。東日本大震災、東電福島第一原発事故から間もなく1年ですが、いまだ復興進まぬ地元・福島の実態と国のでたらめな対応を聞き、正直絶句しました。
子どもを犠牲にして平気な日本国。国家として恥ずかしい
自民党参議院議員、弁護士。福島県いわき市勿来生まれ。2006~07年、金融庁(総務企画局)課長補佐・同(検査局)金融証券検査官を務め、賃金業法改正担当として与謝野馨大臣、後藤田正晴政務官、山本有二大臣、渡辺喜美副大臣に仕えた。2007年の参院選で初当選。(撮影:前田せいめい、以下同)
森 私は毎週末、また国会が終われば毎日、福島に帰っています。するとみんなに泣かれるんです。それくらい福島の状況は悪い。何も変わっていないどころか、むしろ悪くなっています。
そして県民が何よりも辛いのは、将来の姿が見えないことです。将来がまったく見えないから、希望を持って暮らすことができない。
これは人間にとって最も辛いことだということが私は身に染みて分かりました。それで涙が出るんです。その涙を持って国会に帰ってくるという辛い状況です。
その国会が、まったく動きません。私がいま全精力を注ぎ込んで取り組んでいるのが、「原発被害子ども救済法」です。福島県民はせめて子どもだけでも守ってほしいと思っています。
原子力は国が国策で進めてきたもので、もちろん自民党にもすごく責任がありますが、国はすべての責任を認めて、放射能を浴びた子どもが将来何かあった時に全力で守ってほしい。
30年後に急に何かがあった時に、法律がなければ守ることができません。この当たり前の法律がどうして通らないのか。本当に悔しくてしょうがないです。
野田(佳彦)総理は就任以来、「福島の再生なくして日本の再生なし」とおっしゃってこられた。1月7日に福島県にいらっしゃった時に、福島県知事(佐藤雄平氏)が県民みんなの思いを背負って、子どもたちの医療費はタダにしてくださいとお願いしたんです。
総理は、たいへん重要な問題だから持ち帰り検討すると期待を持たせておきながら、そのあと断ってきた。そのできない理由というのが、不公平だからだというんです。ほかの県と比べて不公平だからだと。私たちは納得できません。
ぜひ全国のみなさんに訴えたいんです。それって不公平ですか? 私の法案では、福島県だけでなく近隣県も含まれています。そういう危険な地域で放射線を浴びてしまった子どもたちの医療費を無料にすることが、それ以外の子どもたちと比べて不公平なことですか。