マット安川 今回は憲法学者・小林節さんを迎えて、「それは憲法改正が必要でしょ」と揶揄される大阪維新の会のいわゆる「維新八策」を解説いただきました。

何も決定できない政治家は総取っ換えすべし

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:小林節/前田せいめい撮影小林 節(こばやし・せつ)氏
憲法学者、慶應義塾大学教授、弁護士。日本海新聞・大阪日日新聞客員論説委員。『憲法守って国滅ぶ』、『そろそろ憲法を変えてみようか』(共著)など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

小林 いまの政治家は議論ばかりで、決定、執行ができません。みないろんなことを言いますが、怖くて決定できない。自分の身を守るために、検討中、検討中と言って逃げている。

 そういう中で、橋下(徹、大阪市長)さんは返り血を浴びながら、決定して、実際に前進しています。それが国民に受けている。ところが、既成政党の政治家たちは、あの野郎できもしないことを言いやがって、と批判しながら、一方で票がほしいからすり寄っている。

 もはや政治家は総取っ換えの時が来ているんじゃないかと思います。われわれは仕事をしてもらうために政治家を選んでいるわけで、仕事をしないのなら辞めてくれと。

 特に世襲議員はダメですね。感覚が違う。それがビジネスで家業になっているから、地位を守ることがすべてになる。まずは世襲政治家を一掃するのが急務です。

「維新八策」はいま考えられるまともな案

 橋下さんの「維新八策」(維新版・船中八策)は、個別には私もいろいろ意見はありますが、基本的にはいま考えられるまともな案だと思います。

 同時にこれを実現できるのは、橋下さんしかいない。彼は何も守るものがないですから、やれると思いますし、国民も苛立っていますから、やってもらいたいという思いがあります。

 逆に既成政党にはできない。既成政党はこれまでのことを言い訳して、守らなければいけないですから。