ギリシャでゼネスト、数万人がデモ行進

財政破綻のギリシャ、数万人規模のゼネストも〔AFPBB News

 米系投資銀行によるギリシャでのオフバランス取引が国際金融市場の話題に上っている。事実上財政破綻に追い込まれたギリシャの国債を、実はこうした金融機関がオモチャにしていたのではないか。さらに、オフバランス取引を通じてギリシャ自体が公的債務を隠していたのではないか――という疑念が強まっている。

 こうした問題はユーロ圏では初めてだから、加盟国のショックも大きい。しかし、同じような取引にアジア諸国が巻き込まれて発生したアジア通貨危機への反省は一体、どこに行ってしまったのだろうか。

今も昔も変わらないソブリン危機の発生パターン

タイ市場SET指数、10%以上下落 取引停止に - タイ

アジア通貨危機当時のタイ・バンコク〔AFPBB News

 ギリシャのように国家単位でオフバランス取引に巻き込まれるケースは昔からある。筆者が見聞した限りでも、1988年頃には為替オプションを使った事実上の与信取引が、米系投資銀行とアジア新興国との間で行われていた。

 行使価格が足元の市場実勢と懸け離れた水準にある為替オプションを大量に売ることにより、新興国は現金を手に入れた。ご想像の通り、その後オプションを購入した米系投資銀行が市場に猛烈な攻撃を掛けて行使価格を実現してしまい、当該国には巨額の為替差損が発生した。すなわち、その国は途轍もない高金利でカネを借りたわけである。

 単純な事例だが、今でも新興国などを相手に行われている極端な取引のカラクリと同じである。こうした取引が実現するためのポイントは2つあると考えられる。

 第1のポイントは、投資銀行などが狙いを定めた金融商品の市場流動性が低いことである。そうでなくては価格操作ができないからだ。

 例えは悪いが、株式市場であれば「仕手株」と言われるものである。れっきとした国の国債や通貨(為替)であっても、国際金融市場全体の大きさと比べれば、流動性の不足しているケースは少なくない。グローバルな投資家や投資銀行から見れば、新興国の国債や通貨などは仕手株並みの流動性しかないのだ。