最近の個人消費関連統計を見ると、エコポイントやエコカー減税・補助金に持ち上げられた耐久財への支出がなお好調を維持している反面、それら以外への支出額がしっかり絞り込まれているという特徴がある。その主因は、所得面からの強い制約(足元の賃金・雇用環境の悪さと、明るくならない先行き見通し)であろう。昨年10-12月期の四半期別GDP速報(QE)を見ても、そうした構図がはっきりと浮かび上がってくる(2月15日作成「輸出と政策効果でプラスだが」参照)。
今年に入ってからも、上記のような個人消費の姿に変わりはないと考えられる。小売業界の売上高統計2つの1月分から、消費者の節約志向の強さを示すものとして、基礎的支出の中核である「食料品」、および消費者の支出絞り込みのステップ感を見る上で筆者が以前から注目している「惣菜」のデータを確認してみよう。
日本百貨店協会が18日に発表した1月の全国百貨店売上高(店舗調整済)で、「食料品」は前年同月比▲3.0%(12カ月連続減)、うち「惣菜」は同▲6.2%(20カ月連続減)になった。ちょっとした贅沢として「デパ地下」のお惣菜がもてはやされた頃の面影はない。
日本チェーンストア協会が22日に発表した1月のチェーンストア(スーパー)販売額(店舗調整済)で、「食料品」は前年同月比▲4.3%(12カ月連続減)、うち「惣菜」は同▲4.9%(14カ月連続減)になった。2009年に入ってから大きく落ち込んでおり、回復の兆しはまだない。