内閣府が15日に発表した昨年10-12月期の四半期別GDP速報(QE)で、実質GDPは前期比+1.1%(同年率+4.6%)となり、3四半期連続のプラス成長を確保した(昨年4-6月期は前期比+1.3%、7-9月期は同+0.0%)。前期比への内外需別寄与度は、内需が+0.6%ポイント、外需が+0.5%ポイントで、一見するとバランスが取れている。しかし、後述するように、内需については経済対策の寄与が大きく、持続性には疑問がある。

 前年同期比で見た場合、10-12月期の実質GDPは▲0.4%で、7-9月期の▲5.2%からマイナス幅を急縮小した。しかし、これには比較対象である2008年10-12月期に、実質GDPが「リーマン・ショック」後の急低下で水準を大きく切り下げていたことが、テクニカルに影響している。実質GDPの季節調整済金額で見た直近ピークは、2008年1-3月期の567兆2573億円。昨年10-12月期の水準は、このピーク水準と比べた場合、約6.1%低い水準にとどまっている。

 一方、名目GDPは前期比+0.2%(同年率+0.9%)で、7四半期ぶりのプラス成長になった。前期比への内外需別寄与度は、内需が▲0.3%ポイント、外需が+0.5%ポイント。内需のうち、民間最終消費支出の前期比寄与度は▲0.0%である。

 前年同期比で見た場合、10-12月期の名目GDPは▲3.3%。2009年は、前年比▲6.0%。