日本共産党・衆議院議員の笠井亮氏を電話ゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。

 笠井氏自身も参加したという反格差社会デモの様子や、日本のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加問題などについて語ったトーク内容をお伝えする。

国民がつくった富が国民に還元されていない

中山 先日、六本木で行われた反格差社会デモに笠井さんも参加されたそうですが、どんな活動だったのでしょうか。

格差をなくす世界一斉行動の日、東京でもデモ行進

10月15日の「格差をなくす世界一斉行動の日」に東京でもデモ行進が行われた〔AFPBB News

笠井 「1%の富裕層が支配し、99%の私たちが犠牲になるような社会でいいのか?」そんなスローガンの下、多くの人々が各々の願いや主張を掲げてデモ活動を行いました。「99%の私たち」というフレーズを、私はとてもいい合言葉だと思っています。

 ちょうど10月末で世界人口が70億人を突破しましたが、一人ひとりが授かった命を大切にする意味でも、この世に存在する70億の命に決して格差があってはなりません。

 日本の「一部の富」ということで言えば、大企業の内部留保が増え続け、約257兆円を貯め込んでいる事実があります。国民がつくった富が、その大企業で働いている人も含めて、多くの国民に給与や報酬として回ってきているかと言えば、むしろ逆に減ってしまっている。

 非正規雇用者や失業者が増加し続ける日本の社会や経済のあり方を、今こそ見直すべき時ではないでしょうか。世界80カ国以上にまたがる1000近くの都市で拡大した一連のデモの動きに連帯しながら、我が国の今後を問い直そうじゃないかと、私もアピールしました。

中山 東西冷戦の時代は自由主義・市場経済の国々の人口が26億ぐらいだったのが、ベルリンの壁の崩壊によって統制経済との対立がなくなり、全世界の70億人規模に市場が拡大しています。資本家にとっては市場の拡大はプラスかもしれませんが、個人間の競争が激化したことも99%対1%というデモの一因となっているように思えるのですが。

笠井 共産党としても市場経済は大切だと考えています。ただ、資本主義経済においても一定のルール作りが必要ではないでしょうか。例えば、労働者が人間らしく働けること、働いた分だけきちんと給与がもらえること、あるいはサービス残業をなくすことなどです。

 こうした基本的な決まりごとを設けるべきですが、それを緩和したり取り払ったりすると格差が広がるのではないでしょうか。働いた分は、ちゃんと報われる社会を実現していくべきだと思いますね。

日本の形を大きく変える危険性をはらむTPP

中山 今、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加問題について、主に推進派の経済産業界と反対派である農業分野の関係者の間で二元論化されていますが、笠井さんのご意見をお聞かせください。