特集 航海時代

顧客が驚く金型技術と社長の手品

(伊藤製作所・三重県)

2010.02.17(Wed) 橋本 久義

地方経済見聞録

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中小企業の経営者が持つべき要素の1つに「孔雀(くじゃく)のようなPR力」というのがある。「高い技術を持っていれば、知る人は知ってくれるようになる」ということもあるが、実際は「中小企業は目立たなければ踏み潰される」ということの方が多い。

 だから、中小企業はいろいろな手段を使って、多くの人に名前を覚えてもらい、技術を知ってもらうべきである。魅力的なホームページはその手段の1つだろうし、展示会で派手な飾り付けをするのも1つの手だ。いろいろな寄り合いに出かけて挨拶して回るのもその方法だろう。

株式会社 伊藤製作所
〒512-8061
三重県四日市市広永町101番地

 その中に、「経営者の特技で人を驚かす」というのがある。

 三重県四日市市にある伊藤製作所は、金型技術の高さで全国に知れ渡っている。技術力に加えて、知名度の向上に大きく役立っているものがある。伊藤澄夫社長の人柄と手品だ。

 伊藤社長は子供の頃から人を驚かせ、喜ばせるのが大好きだったのだが、得意の手品を営業の武器に活用した。

 伊藤社長と話をしていると、とんでもないところからトランプが出てきたり、選んだカードがいつの間にかポケットの中の財布に入っていたりする。伊藤社長のトークと指先、手腕に、会った人誰もが魅了される。

 伊藤社長によれば、手品が最大の効果を発揮したのは、フィリピンへの工場進出の時だという。伊藤社長はそこそこ英語もうまいが、英語では細かいニュアンスが伝わらないし、冗談で笑わせるのもなかなか難しい。しかし、手品に言葉はいらない。市長や当局の幹部がたちまち伊藤社長のファンになり、トントン拍子で交渉が進んだという。

「漁業はいずれ廃れる。これからは金型だ」

 伊藤製作所は、1945年に伊藤澄夫さんの父上が漁網工場として創業した。

 その後、順調に発展し、漁網業者として独自の技術も持ち、安定して地歩を固めた。だが、父上は早くから「漁業はいずれ廃れる。これからは金型だ」と見通していた。

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