普天間基地問題の混迷、マニフェストを覆したガソリン暫定税率の実質維持など、ここにきて、鳩山由紀夫首相の指導力不足が目につき始めた。夏の参院選を前に、ポスト鳩山が取りざたされる中、国民的にも人気の高い前原誠司国土交通相は、有力候補の1人と言ってもいいだろう。
ところが先月、初代観光庁長官を更迭した上で、幼なじみの兄を後任に添える「お友達人事」を強行。そのスケールの小ささに、呆れ返る声が広がっている。(文中敬称略)
異例のタイミングでの交代劇
ポスト鳩山の有力候補のハズだが・・・〔AFPBB News〕
2009年12月25日朝の閣議で、政府は本保芳明観光庁長官(60)の2010年1月4日付の退任と、後任にサッカーJリーグ「大分トリニータ」運営会社の溝畑宏前社長(49)を充てる人事を了承した。
本保は1974年運輸省入省。運輸・観光行政に携わった後、2003年4月に生田正治に請われて日本郵政公社理事に就任。その後2007年に国交省に「出戻った」、異色の経歴の持ち主だ。
2008年10月の観光庁設置に当たって、当時の政府内部では、観光産業に通じた民間人を充てるべきという声が強かった。しかし、引き受け手が現れず、人事が難航。結局、ナンバー2ポストの「次長」に就任予定だった本保が格上げされる形で長官に就任した経緯がある。
それゆえに、「今度こそは民間から大物長官を」という思いは、政治家のみならず、本保自身も強く持っていたという。このため、本保は通常の人事サイクルに合わせて今夏の円満退任が規定路線だった。
だからこそ、今回の長官交代は、「政権交代に伴い新たな施策をスタートさせたばかりの異例のタイミング」(同庁職員)であり、関係者にとっても寝耳に水。前原は会見で「何の瑕疵もなかった」と言明したものの、瑕疵がないのに交代させる理由の明確な説明はなく、結局のところ、そりが合わなかった本保が事実上の更迭された形だ。
ある政府関係者は「前原は参議院選後の夏の人事では自分が大臣で残っているか心許ないと考えたのではないか。とすると、チャンスは1月4日か4月1日付の人事しかなく、予算編成のどさくさに隠れられる1月を選んだのだろう」と解説する。
官僚出身・経営手腕に疑問符の新長官
確かに、本保は自民党や財界の大物とのパイプが太く、昭和の香りを漂わせるような古いタイプの役人。民主党流・政治主導に馴染まなかったのは事実だ。ゆえに、政府内では次期長官として、鳩山政権に近い劇作家・平田オリザの名前まで上がっていた。
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